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月音 光(つきねあきら)
月音 光(つきねあきら)
novelistID. 69444
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花火

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夜空に咲く色とりどりの大きな花。

体に響く振動と音が少し後からやって来る。

火薬の匂いって不思議。

今年初めて着た浴衣はなんだかちょっと恥かしい。

今日は髪型もアップにしてみた。

「浴衣可愛いね」

彼に褒めてもらって舞い上がる私(笑)

後ろに立ってる彼がふいにウエストを引き寄せ、髪に顔を埋めて来た。

「シャンプーのいい香りがする・・・」

髪に彼の顔が触れただけで胸の奥が熱くなる。

アップにして無防備になった耳とうなじに熱い息がかかる・・・。

心臓の鼓動、聞こえちゃってるかなあ?

「来年も一緒に花火見ようね」

彼に返事をしようと思った瞬間、振り向かされ、唇を塞がれた。

声にならないから心の中で呟いた。

(来年も再来年もずっとずっと一緒だよ)



(終り)
作品名:花火 作家名:月音 光(つきねあきら)