診察室♯1
綺麗な女医が患者の話を聞いている。
「どうなさいました?」
「先生、胸が苦しいんです」
「ちょっとレントゲンを撮ってみましょう」
数時間後・・・
「先生、どうですか?」
「心臓に影がありますね。それと・・・」
「それと何ですか?」
「影を拡大したら、好きという言葉がどんどん増えて心臓を圧迫しています」
「先生、それは病気なんですか?」
「恋ですね」
「どうしたら治りますか?」
「好きな人に告白しなさい。想いを受け止めてもらえなくても楽になります」
「好きです!」
「私に言ってどうするの?好きな人に言いなさい」
「だから先生のことがずっと前から好きなんです!」
「え?」
「好きです!好きなんです!先生のこと考えると胸が苦しいんです!」
「・・・」
「アモーレ!アモレミオ!ティアモ!ティアモ!ティアモ!」
「イタリア人かっ!」
そして沈黙・・・
「どう?楽になった?」
「はいっ!こんなに爽やかな気持ちになったの初めてです!」
「私は胸が苦しくなっちゃった・・・貴方でないと治せないみたい・・・」
作品名:診察室♯1 作家名:月音 光(つきねあきら)