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二十億光年の孤独

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雨の降りしきるさなか、一瞬の間に、閃光と轟音と悲鳴が続いた
「きゃああああっ!」
 悲鳴を上げたイルカの調教師――調教師歴三年の、若い女性――と観客の前で、黒くなったイルカの体が水面に落ちた。
 ここはマリンパークである。呼び物のイルカショーは大雨注意報が出ていても開催されてきており、これまで特に問題も無かったのだが、この時は想像より非常に早く迫ってきた雷雲が、ジャンプしたイルカに何と一撃を加えたのだった。
 彼女が飛び込んで近寄ると、まさかイルカは声を漏らした。
「うう、お姉さん……」
「ええっ、カイル!? あなたしゃべれたの!?」
 彼女が驚くと、カイルと呼ばれたイルカは答えた。
「もともと僕たちは、あなたたち人間と同レベル以上の知能の持ち主……それがさっきのショックで、リミッターが外れたみたいですね……」
「分かったけど、大丈夫!? 今先生を呼んでくるからね!」
「……いえ、いいです……僕の体のことは、僕が一番よく分かってます」
「何言ってるのカイル!? しっかりして!」
「だいじょうびです……」
「だ、だいじょうび!?」
「……ちんちんを触ってくれれば元気になります」
「さっきの知能自慢何だったの!?」

(了)
作品名:二十億光年の孤独 作家名:Dewdrop