そこにある景色
待ち合わせ。
古い記憶の約束。
君の居た家。
誰も居ない今。
一歩歩いて、埃でつく足跡。
そこには思い出があって、煤けた記憶。
歩いて、足跡。
残して数年後には消えて行く。
僕らの道。
今は無い何か。
そうやって僕は彷徨う。
この場所を。
あの日の記憶を。
差し込む光は綿埃を照らして煌めく。
綺麗に線を引いて何を照らす?
歩いて軋む。
歩いて割れる。
ここには何も無くて、置き去りにされた何かを壊す。
君の大切にしていたソレも置き去り。
僕の足の下で、ひびが入る
手にとって崩れ落ちる。
サヨウナラ
その言葉さえ掻き消して消えたあの日。
戻らない戻れない日。
君にサヨナラ。
それを言いに僕はきっと来たんだ。
けれど現実、君は居ない。
どこかで笑う君。
思い描いて苦笑い。
有り得ない未来と今。
それを比べて溜息を吐く。
君にサヨナラ。
言えない言葉。