小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

女流漫才 近未来

INDEX|1ページ/1ページ|

 
「ハ~イ、高市早苗で~す。早苗言うても田植え機ちゃうねんで~!」
「それはイセキやろ。ハ~イ、金与正で~す」
「ヨジョン言うたらあんたとこのミサイルやないの」
「それはノドンや」
「あ~、大阪名物の」
「それはうどんや」
「どうでも良いけど、あんたなんで大阪名物を知ってんの。それに関西弁うまいな~」
「なに言うてんの。ウチのお母ちゃんは大阪出身やもん」
「え~!? あの噂はホンマやったんや」
「せやで、それに家の中では日本語で話しとったんや」
「え~!? 衝撃の事実やんか」
「嘘やで」
「ええかげんにせないかんわ。相変わらず嘘がうまいんやな」
「ウチの国では嘘は国技みたいなモンやさかい。道徳心のある日本とはそこが違うねん」
「言うてて恥ずかしくないのん? あたしも関西出身やねんで。最近はテレビで標準語使うてるから今日は関西弁で気持ちええわ~」
「関西のどこやのん?」
「いにしえの都、奈良や」
「プッ! 奈良やて。奈良は関西やない! 関西は大阪・京都・神戸のことや。奈良は関西圏や」
「うわ~、奈良県民が気にしてることズバッと言うたな」
「そうや。相手の一番痛いところを突くのんが交渉術や。小さいころからお兄ちゃんに教わったんや」
「あんたんとこの兄妹、仲ええもんな」
「兄妹の仲はええねん。せやけど兄弟の仲は最悪や」
「それは大きい声で言うたらあかん。話を変えな消されてまうで。そういえばあんたのお兄ちゃんは元気か?」
「くぁwせdrftgyふじこlp」
「なんやて? よお仲良く写真に写っとったやないの。元気なんか?」
「仲よ~写真に写っとったんは二年前までや。今はウチのお兄ちゃんな~、タヒんピーーーーーーーーで、影ピーーーーーーーーだから写真ないねん」
「うわ~~~、そこは国技の嘘で誤魔化しなさい」
「もう誤魔化しきれんのや。影ピーーーーの在庫も少ななったし、だんだん似てなくなるし、そのうち性別まで変わってまうのちゃうかと心配やねん」
「ピーの意味ないやないの。全部言うてもうたがな」
「ええねん、だからこれからあんたとこの助けがいるねん。ほかの国は信用でけん。やっぱお母ちゃんの生まれた国に頼りたいねん」
「それも国技の嘘か?」
「ウチとあんたの仲やから良いこと教えたるわ。なんあぁ、ウチらが強気なこという時はほぼ嘘や。逆に弱気なときは本当のことや」
「へ~、ええこと聞いたわ」
「あんたもこれから日本のトップになるんやから、それくらいのことは覚えとき」
「あたしが日本のトップに? なれるかなぁ~?」
「弱気になったらあかん。なんのために今日ウチがあんたと会ってるの? ウチらは価値のない人間とは会はへんで。あんたはそれがけの価値のある人間や。日本にとってもウチらの国にとっても。期待しとるんやで~」
「アリガトウな。頑張るわ」
「ほな、あたしの名前、ヨジョンににちなんで未来への展望を語りましょう」
「それはビジョンや」
「ええやないの、それくらい。田植え機だけに実りある話ができるでしょう」
「誰がイセキのさなえやねん。ええかげんにしなさい!」

頼みますよお二人さん!
作品名:女流漫才 近未来 作家名:立花 詢