第四話 くらしの中で
脳ドック
数年前に脳ドックの検査を受けた。
年月が経てば経つほど年を取るので検査を受けるのは億劫になる。
そういう意味で元気な時に受けていたのは正解だったと思う。
その検査で3ミリの腫瘍が見つかり、毎年一回MRI検査を受けていた。
それから五回つまり五年経った時点で、脳外科医は「もうやめましょう、これまでずっと同じサイズで大きくなってもいないし、この程度で手術をする必要もありませんから」と言われた。
5ミリになったら手術をする場合が多いそうだ。
「4ミリになったとき手術はしなくても不安に思うのは嫌でしょう、だから忘れてください。何かあったら来てください」
「何かあったらってどういうことですか?」
「頭がひどく痛いとか、血が出たとか・・・」
「は~~?」
医師は付け加えて、「でも腫瘍があることは意識しておいてください」とも言われた。
腫瘍の場所はくも膜下の近くだそうで、大きくなればくも膜下出血で大手術になるとのこと。今の段階では手術をしなくて良いサイズだそうだ。
若いときなら大きくなるのが速いので手術をするらしい。
それ以来、今までは頭痛があっても気にしなかったけど意識するようになった。
具体的には、血圧を測り、パルスオキシメーターで酸素度を測り、体温を測る、自分なりの安心対策のつもり。
血圧は各人で安心する程度が異なるが、酸素度は私の場合95~96、
友人らは97~98あるようだ。
体温は36.5度が健康体の目安。健康講座で聴いたときに教えられた数値。
コロナが始まってからは病院に行ったとき「37度以上熱がある者は・・」と掲示されている。
体温は毎朝測ることにしているが、身体に何か症状があるときにも測っている。
備えあれば憂いなしというところだろうか。
完
作品名:第四話 くらしの中で 作家名:笹峰霧子