夢見る海王星
終章
ワシリーは研究所で衛星に乗り込んだ。皆が見送るなか、ワシリーは笑顔だった。
「本当に良いのね?」
マチルダが念を押す。
「ええ。良いんです」
ワシリーを乗せた衛星は宇宙に浮かぶ研究所から、海王星の衛星軌道に乗せて射出された。ワシリーは周波数発生装置から二百十一・九四ヘルツの周波数を海王星へ向けて送った。
「さあ、これで君は孤独じゃないよ。私がずっとついているから」
ワシリーはそう語りかけると、窓から外を見た。
目の覚めるような海の様に青い星。いつまでも回り続ける。愛と共に――