サイコパスナイト 転
そんな攻撃を癒やすために、僕は度々帰省している。何時だったかははっきりと思えていないが、2019年の5月か6月に帰省したときだったと思う。僕は図書館で、池谷裕二と中村うさぎの対談本、脳はみんな病んでいるを借りて読んだ。そして衝撃を受けた。
そこには、僕がこれまでに感じてきたことと同じような、似たような事が書かれているではないか。これまでそんな相手にあったことはなかった。僕はほぼ確実に自閉スペクトラム症のようだ。これまでにも、何人かアスペルガーの人間といろいろ関わってきて、嫌なことばかりだった。ベラに限らず、僕はアスペルガーが嫌いだ。そんな僕が自閉スペクトラム症だとは驚きだった。
そして、自閉スペクトラム症の人間が次々に浮かんでくる。僕自身が自閉スペクトラム症だけあって、高3からずっと自閉スペクトラム症の多い環境にいたのだ。そして、有名人にもたくさんいるなと思った。シリコンバレーなら、ビルゲーツやマークザッカーバーグ。日本では、ホリエモンや養老孟司に加え、片山杜秀、橋下徹、劇団ひとり等が浮かぶ。最近イーロン・マスクが自分はアスペルガーだと公言したが、僕はそれ以前から、彼は自閉スペクトラム症かもとは思っていた。
驚いたのは、大栗博司の最近の著書を読んだ時だ。タイトルは確か、探求する精神だったと思う。それまで僕は、彼はぶっ飛んだ天才だと思っていたが、その本を読むと普通というか、僕とかなり似ているのだ。彼も自閉スペクトラム症なんだと思ってしまう。池谷氏や大栗氏は、小学校の時にブルーバックスを読んだそうだが、僕は中学校の時だった。その違いは大きいのだろうか。実は僕も、中学校の時には物理学者になろうと思ったことがある。さらに書くと、僕は相対論な量子論を、幾何学的に捉えている。大栗氏と同じ幾何タイプのようだ。
話を戻そう。僕の居場所をベロに悟られないことは無理だと認識した。不意を付けば、気付かれないことはある。しかし、眠った後では確実に見つかってしまう。ベロは、起きてる間はずっと僕の監視と攻撃をしているのだ。もっと言えば、彼は僕の寝室の上で寝ているが、そこで僕が何かしていると、ベロは寝ている時間でも低音攻撃を始めるし、僕が寝ていないか確認する音を出すこともある。多分僕は、寝ている場合にはその音に反応することが多いのだろう。これを確かめるのは難しい。暫く前に録音したが、よくわからなかった。早送りで聞いたら全くわからないし、普通に再生してもよくわからない。
そこで僕は、ベラの下の部屋で寝るようになった。そうすれば、ベロの攻撃はない。ベラの攻撃はベロよりずっとダメージが小さいのだ。最初は、単にベラが寝ていたPC部屋で寝るようにした。すると、ベラは寝る部屋を変えるようになた。僕は自分の部屋を寝室、PC部屋、物置部屋と呼んでおり、その何処かの上の部屋にベラは寝る。だから、それを確かめてからその下の部屋で寝るようにした。時々間違ったけど。
するとベラは、寝た後で部屋を変わるようになった。多くの場合、ベロの合図である、ドアを叩くような音で、だ。僕は、寝る時間を遅くすることで対応した。遅くなるとベラは移動する事が少なかったのだ。
するとベラは、遅い時間でも寝る場所を移動するようになった。それも毎晩何度か。それで僕はベラが移動しないように、僕が寝ていない部屋で扇風機ノイズを出すようになった。普通の人なら、上階でやっと聞こえる程度の音だ。
するとベラは、変わり身の術を使うようになった。ベラは僕が寝た後に部屋を出て、ベロが攻撃する。僕が目を覚ました時にはベラが戻っている。一時期、ベラが上に居るはずなのに、ベロの攻撃を受けたようなダメージが続いた。一週間程度の間。そして、上記の事が起きてることを確認した。以前から、ベラが寝た後に移動しないように、寝る前にベラに何度か部屋を移動してもらっていた。扇風機ノイズで、だ。それを強化して、ベラが移動しないようにした。
そして今2021年の夏、ベラの行動は制御が難しくなった。物置部屋での扇風機ノイズでも我慢したり、(タイマーで起動しているので)終わるまでリビングに避難するようになった。僕が何処に寝ても、ベロの攻撃にさらされるようになった。
当初は、ベロがほとんどの時間監視と攻撃を行っていたが、今ではベロの攻撃は夜が殆どで、彼の寝ている部屋の下に僕が居る時に、低音攻撃をする程度だ。今では朝から夜まではベラの担当のようだが、彼女の攻撃のダメージは大きくない。
さらに、2018年の秋から始まったベランダでの煙攻撃は、当初と違って速攻で煙が出るようになった。多分3、4秒だ。出してる場所は、ベランダに出る窓の近くだと分かるが、探してみたが明確な場所がわからない。ドリルで穴を開けて、何かで圧力をかけて煙を出しているのは間違いないのだろうだけど。可能性が高いのは、窓のサッシの取付金具の何処かか、壊れているエアコンからだ。
話は変わるが、警察も僕の話を信じていない。まぁ、警官なんて馬鹿じゃないと務まらないし。組織の論理でしか動けないから。そもそも、僕は僕の話が現実離れしているし、脳科学の知識のない者には理解不能だろう。さらに、僕の説明は下手だし、自閉スペクトラム症だけあって変な奴に見えるはずだ。神奈川署のS氏を含めて、僕の話を信じてはいないことは明白だ。S氏は表情は読めないが、やり取りしたことを後で振り返ると、信じてない、つまり僕の頭がオカシイと思っているようだ。まぁ、世の中のほとんどの人は、やり取りから相手の考えを読んだりはしないんだろうけど。池谷裕二氏も同じようだけど、自閉スペクトラム症の人間には、話の内容から論理で相手を読む。
作品名:サイコパスナイト 転 作家名:隊長