ゴミ屋敷の方程式(おしゃべりさんのひとり言 その45)
他にもないかなって家中探してみたら・・・あった。強烈なところがあった。
玄関奥の階段の隣に、一畳ほどの奥に長いクローゼットがあるんですね。
そこに物が詰め込まれてるんですけど、15年ほど前にこの家に引っ越してきた時、スチールラックを入れて物置にしたんです。
そのラックが結構大きかったから、たっぷり物を収納出来たのはいいんですけど、一番奥の方なんか取り出し難くって、この15年間一度も出してないことに気付きました。
①整理②整頓どころか、③清掃も一度もしてないと思う。
それらって、保管してても結局使ってないってことだね。
つまり、最初から要らない物だったってことなんだよね。
全部捨てよう! 捨てないとゴミ屋敷になる。
それで、ゴミ屋敷ってどうやって生まれるのか気になった。
ゴミ屋敷って言われるような、外から見てもゴミが散乱している家には、二つの種類があるって思う。
Ⓐ:生活で出たゴミを捨てずに放置し続け、家いっぱいになるパターン。
Ⓑ:他所からゴミを拾って来て保管を続け、家いっぱいになるパターン。
パターンⒶの心理:
「めんどくさいな~」「ま、そのうちに」「これくらいまだいいか」「分別が出来てない」「まだ大丈夫」「何とかすれば何とかなる」「匂いくらい平気」「ゴキブリぐらい平気」「まだ天井までは隙間がある」「ゴミの上でも寝れる」
結果、ゴミで埋もれてしまう。「片付けたいのは山々なんだ!」って言う。
パターンⒷの心理:
「これ欲しかったんだ。拾って帰ろう」「これもったいないな。持って帰ろう」「これもまだ使えるぞ」「これ価値あるやつだ」「これも高そうなやつ」「まとめて金になりそう」「まだ庭にも置ける」「上に積めばまだ置ける」「ちょっとくらい道にはみ出てもいいか」
結果、ゴミがあふれてしまう。「ゴミじゃない、売れるんだ!」って言う。
どちらのパターンもいつの間にか、物量に対して一般常識の範疇を超えた「妥協」へと繋がったんだ。
「ま、いいか(笑)」からスタートして、やがて「どうすることも出来ないよ(泣)」
先延ばしを繰り返さないで、こうなったら困るってことを想像しないのかな。感覚がマヒしたってこと?
まさか(どうすればいいか)って考えること自体が、億劫だったとか?
でもそうなってしまえば、ご近所さんが迷惑がって、自治体に相談が来る。
役所の職員が調査に乗り出す。
結果、「片付けてください」って説得する・・・。
そんなんで解決するかぁ!?
きっと、その期に及んでも、今、そう今、まさに今、真剣に考えることさえ誤魔化して、結局また先延ばしにされてしまうよな。
だから、温かくサポート(誘導)してあげる必要があるんじゃないかな。
Ⓐパターンの解決策:
そのゴミを回収してあげよう。回収料金はいらんでしょ。公務員が公費を使って何度も無駄な説得続けるより、早く安く解決すると思う。
Ⓑパターンの解決策:
そのゴミを売ってあげよう。その売り上げをそのまま、家主に手渡してあげよう。ついでに売り方も教えておけば、次から自分でできると思う。
こんな生易しいこと言ってちゃ、批判があるかもしれないけど、効果的じゃないかもしれないけど、テレビ局の取材を何か月も続けて意固地にさせるより、家主やご近所のためになるんじゃないのかな。
捨て方や処分の仕方をちゃんと知って、家に不用品を仮置きしとく性格を直さないと、僕もいつかこうなるかもしれないな。
・・・で、娘の部屋の片付けを手伝ってあげた。
妻の車を掃除して、ワックス掛けておいてあげた。
これでいいんだろうか。
つづく
作品名:ゴミ屋敷の方程式(おしゃべりさんのひとり言 その45) 作家名:亨利(ヘンリー)