されてしまった?
「さ、里見君──」
校内の穴場。いつものベンチ。
並んで座っているウチらを目指して、見知らぬ女が近寄ってきた。
「ダイ。あの子 知り合い?」
「えーとぉ、同じクラスの北さん」
つかつかと歩いてきたその女は、大吾の前で立ち止まる。
「これ…受け取って下さい!」
差し出されたのは、明らかに本命なチョコレート。
「─ 私からの愛です」
成り行きを見守っていたウチの口から、声が漏れる。
「は?!」
「あなたには、関係ありません。」
「いや、ちょっとまってくれる!?」
ウチと大吾は、明らかに今 じゃれ合っていた。
それも、いちゃいちゃオーラを盛大に 周囲に撒き散らしてだ。
「アンタ、一体どういうつもりで──」
「里見君。これが 先日あなたがしてくれた、愛の告白に対する私の答えです!」