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桐生甘太郎
桐生甘太郎
novelistID. 68250
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「キコちゃんはちょっと小さい」〜告白編〜

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「一也さん…どうして泣いてるんですか?何かあったんですか?」

俺は彼女のところまで跪いて、そっと手を差し伸べる。すると彼女は俺を心配してくれるのか、すぐに登ってきてくれた。俺は片手で彼女の体を包んで、落ちないようにして自分の胸元に彼女を引き寄せた。

「キコちゃん…」

「は、はい…」

彼女の声は、少し不安げだった。キコちゃんの温もりが俺の手に収まるほどに小さいことが、愛しくて、切なくて、俺の涙をもっと後押しする。彼女が苦しくないように、俺はそっとそっと彼女を抱きしめた。その形を初めてはっきりと感じた俺の胸が、とくとくと高鳴る。

そうだ。俺はこれを言わないと、あまりの苦しさに次の呼吸ができないんだろう。眠ることさえできなくなるに違いない。

「一也さん…」

涙で喉が詰まって痛むので、俺はなかなか喋ることができなかった。でも、もう待っていることはできなかったから、俺は泣きながら、一口一口、喉からちぎるような声を出す。

「俺は…君が、好きだ…!」

「えっ…」

腕の中のキコちゃんの、ためらいがちなもじもじとした動きがぴたっと止まった。俺の背中に、さあっと冷たい緊張が走る。


ダメだったら、俺の人生初の大挫折かも…。


「えええええ~っ!?」

彼女があんまり驚いて、大きな声で叫ぶものだから、俺は泣きながら笑った。




つづく