人見知り
つぐみは、クールビューティー。長女としてしっかり者に育てられ自立心が高く、プライベートや弱音をなかなか語らないためにミステリアスな印象を持たれていた。
つばめは、おしゃべり。中間子として親を独占できたことが無かったせいか、話しかけられるのを待つよりはどんどん自分から話しかける人懐っこさがあり、同性にも異性にも友達を多く持っていた。
そしてすずめは、人見知り。末っ子である上に年齢差を除いてもふたりの姉より小柄で、そういうか弱さもあって、両親から大事に育てられた。
……という三姉妹が、順に適齢期を迎えた。
つぐみはお似合いの美丈夫を連れてきて、両親を納得させた。
つばめもお似合いの美丈夫を連れてきて、やはり両親を納得させた。
そして、人見知りを心配され続けてきたすずめも、ついに特定の相手を連れてやってきた。
がしかし、両親には、彼の魅力が分からない。背こそは高いが、どうもヌボーッとしていて、何を考えているやら……という印象である。
純粋な興味に非難めいたものを含めつつ、両親が尋ねた。
「すずめは、どうして彼を好きになったんだい?」
娘は、彼と顔を見合わせてから答えた。
「始めは怖かったし、何考えてるか分からなかったんだけど、だんだん彼のことが理解できてきて、気が付いたら私からそばにいたっていうか」
そして彼に寄り添って続けた。
「かかしみたいな感じ」
(了)