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桐生甘太郎
桐生甘太郎
novelistID. 68250
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僕の弟、ハルキを探して<第一部>

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彼女の後ろから、ぬらぬらしていて木の幹ほども太い、長い触手が音もなく襲いかかろうとしていて、それはあと何メートルかで僕ら全員を飲み込みそうな数と長さだった。僕は吹雪さんの手を取ろうと駆け出して、僕の声に驚いて振り向いたロジャーさんたちも闘おうと身を翻す。

「おいでなすったな!」

「吹雪姉ちゃん!」

「きゃあっ!」

叫び声がこだまする。なんと、吹雪さんは真っ黒い触手に捕まえられて、その触手の根本にあった、モンスターの口へと引きずり込まれていったのだ。

「吹雪!」

ヴィヴィアンさんが叫んで手を払うと、飲み込まれかけていた吹雪さんを絡め取っていた触手が破裂し、弾け飛んだ。「爆発か」。そう思って僕は少しほっとしたけど、モンスターはそれで怒り狂ったのか、僕たちに向かって猛烈な勢いで飛びかかってきた。

「…ストップ」

アイモがそうつぶやいて両手を掲げると、飛びかかろうと地面から跳ねた瞬間のまま、モンスターは動かなくなる。

「よしきた!」

「任せろ!」

血の気の多い男たちがそこで触手を切り落とし、本体を黒焦げになるまで焼き尽くした。それで終わった。本当に、十秒くらいのことだったんじゃないかと思う。僕はただ見ていることしか出来なかった。あまりに素早く、モンスターは見る影もない体をどさりと地に落とされて転がった。

「終わったね。帰ろう」

アイモはそう言って、どこかさみしそうな顔をしていた。








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