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『親友』の写真 ~今月のイラスト~

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 ルナを葉月さんに渡した後、あたしは既に二頭の盲導犬を育てて今は三頭目の訓練中、それでもやっぱり初めて担当したルナは特別だ、あたしもまだ半人前だったし、ルナはそんなあたしの訓練でも立派に盲導犬になって訓練士として成長させてくれたと思うから……。
 あたしにとってのルナはただ訓練を担当した犬と言うだけではない、苦しいことも嬉しいことも共に分かち合って来た仲間、親友でもあるのだ。

「ルナ……まだ先は長いわよ、しっかり葉月さんの目になってあげてね」
 あたしはそう呟きながら写真のルナをそっと撫でる、するとルナの体温を感じ、声を聴いたような気がした。
『大丈夫、あたしちゃんとやれてるよ、心配しないで』と。

 あたしにとって最高のクリスマスプレゼントを胸に押し頂いて引き出しにしまうと、あたしはまた木枯しの吹く街へと出て行く。
 世の中にはまだまだ盲導犬を必要としている人はたくさんいて、盲導犬は全然足りていないのだから。

『頑張ってね、あたしも頑張るから』
 もう一度ルナの声が聞こえたような気がした。