プロローグ
急カーブもあるだろうし、段差だってあるかもしれない。壁にぶつかって止まってしまうこともあるだろう。それでもいつかは終わりがくる。
完結することだけが物語の終わりではない。忘れられて、壁に寄りかかったまま朽ちていく文章の羅列。英雄になることなく死んでしまった男達。夢を叶えられずにその場で倒れた女達。
決して少なくはない彼等の亡骸は今も雪のように静かに、しんしんと降り積もっている。
物語を作るということは1つの人生を、命を作り出すことだ。
その生き様に人々は感動し、時に涙を流し、時に笑う。
今、産声をあげた物語は天寿を全うするのだろうか。それとも、人知れず海に沈むように消えゆくのだろうか。