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ヤマト航海日誌4

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そんな元からハゲタカが舞ってる国や地域の中で、弱った人の体をコロナが喰らってるんじゃないのか。百万人が死んで今も死んでいるという大多数はそれなんじゃないのか? コロナは直接の死因ではなく死因は人が作っている。とりわけひどい国では人が死んでもカウントもされないわけで、それ含めたらコロナの死者はいま数えられている数倍にもなるのかもだが、しかし日本は幸運なことにそれが極めて少なくいられる。

ということなんじゃないのかね。それはつまり日本がハゲタカが飛ばぬ恵まれた国だからで、人種差別や階級差別がまあ少ないと言えるからだ。

一応。しかしその日本で、感染者差別をするやつがいる。

それは差別をするやつが心卑しいやつだからだが、しかし助長しているのが小池都知事子や池上彰のような政治家やマスコミども。まったく〈池〉という字が付くやつにはほんとにロクなのがいねえ。

なんてことは別にないのだが、とにかくだ。なんでおれがこんなこといま書いているかと言えば、『コート・イン・ジ・アクト6 クラップ・ゲーム・フェノミナン』を書いた後、次に書こうと思ったけれど書かずそのままになってる『7』がそういう話だったんだよなと、書きながら思い出したからである。そうだ、おれは本当は、あれをいちばん書きたかったはずなんだよなあ。書いて出していたならばあれは今年のコロナ禍を予見した作と呼ばれていたかもなあ。

なんて書いても誰も信じてくれんだろうけど、しかし、あれ、書けんのかな。書けるとして、いつになるんだ。『1』から『6』が売れない限り書けないだろうし、売れたとしても、『敵中』を先に書かなきゃいかんのか。

イスカンダルまで。いつになるんだ。わからん。君は、明日にも出来て君だけが全部盗めるという考えを決して変えないのだろうけど。

しかし何年も言ってきたように、そんなことがあるわけねーだろ、とどれだけ言ったところで無駄なことはわかってるので、『粧説』を先に書くことにしたわけさ。どういう話になるかはまだおれにもよくわからんのだがね。こいつを書き上げない限り『敵中』の続きは書きませんから。

今の学者はどいつもこいつも、帝銀事件のGHQ実験説を信じる学者があるわけのないその証拠を探すみたいにコロナが飛沫感染である証拠ばかり探してるんだろ。「空気感染じゃない。空気感染じゃない。空気感染であっては絶対にいかんのだあっ!!」とギャアギャア叫びながら。飛沫感染ならマスクで防げる、と言うよりも、飛沫感染なら第3波が来てくれて、日本人とアングロサクソン以外のすべての劣等人種を殺してくれると信じるからだ。

出渕裕はもちろんのこと、〈アフターコロナ〉はロボットとおっぱいだけの理想の未来だと信じている。コロナが空気感染ならば、おっさんどもは隠蔽しようとするだろうけどそれは小説の盗用が必ずバレるのと同じように無理な話だ。バレる。「マスクなんか戦艦大和と同じでなんの役にも立たん」と4月に言った本当の天才、今年に大きな損失を受けたり、感染者差別を受けた人間が報復に出る時がすぐにも来るんじゃないのかね。そうなったら、おれは高みの見物をさせてもらおうと思ってるんだが。

今の日本は一種の戦争状態にある。コロナとの戦争だが、戦争は無能力者に力を与える。

昭和の戦争で「贅沢は敵だ」「欲しがりません勝つまでは」なんてことを叫んだ者達。そんな言葉を唱えることで、なんの能力もない己が〈神に選ばれし者〉になれる――当時の政治家やマスコミがそう錯覚させた。

今に「感染をしない、させない」と言うのはそれと同じだろう。小池都知事子や池上彰がそのへんのおばさんや、『山崎ヤマト』の〈チーム古代〉みたいな連中を騙してるのだ。

あるいは、周防正行の『それでもボクはやってない』で、役所広司と瀬戸朝香が演じるイカサマ弁護士がノータリンを集めて痴漢冤罪支援運動をするように。瀬戸朝香の「実験してみるものねえ」という言葉に騙され法廷に入る。役所広司の「立ち見していい」という嘘も簡単に信じ込み、立ってるだけで〈正義の士〉になれた気になってしまう。

そんな話は〈楽天ブログ〉に書いているので左の〈プロフィール〉から〈ホームページ〉の欄に貼ったリンクを押してほしいが、とにかくそうなった人間はかつての「贅沢は敵だ」と同じだ。「あんた、なまってるぞ」と言っても「なまってねっすよ」と返されるだけだ。「感染をしない、させない」はそれと変わるところがない。

それが〈戦争状態〉というもの。『敵中』と『コート・イン・ジ・アクト』でおれが描いてきたものであり、今度の『粧説』もそういうものになりそうなんだが、しかしハテサテどうなるのか。

今はただ、山崎貴の『アルキメ』を見ながら、「こうやってはいかんゾ」と自分に言い聞かせてるとこです。それではまた。


作品名:ヤマト航海日誌4 作家名:島田信之