平井玲奈 旅のしおり
体長7メートル旧の巨人。それが玲奈だ。奈良の大仏より小さいが同じくらい重い。
どすんどすんと教室に入る。玲奈は小学5年生のクラス。
そして学級委員でもある。
玲奈「起立!」
どくすーーん! (天井に穴が開いた音)
玲奈「礼! お早うございます!」
生徒一同「お早うございます!」
先生「はい、お早う! では、ホームルームを開始する。学級委員は、前へ、」
ドスンドスンと教壇に立つ玲奈。足元には学級委員の小太郎がいる。潰されている。
小太郎「では今から修学旅行のしおりを配ります。」
松葉杖をつきながらも必死でしおりを配る小太郎。
玲奈はピンセットをつかい、切手を配る様にちょびちょびと配った。股下に生徒がいるので配りにくいが、なんとか頑張った。
ひと月後の修学旅行は京都と奈良だ。
高さの問題で、玲奈は新幹線の席に座れない。トンネル問題で、屋根上で体育座りするのもダメだった。
電車なら乗れたのに…
玲奈当日、バスの屋根のり駅まで行く。そこから新幹線を追いかけて走るのだが、それでは一人だけ遠足みたいな物である。
不公平なので、玲奈は飛行機に飛び乗った。走るより遥かに早いから。
クラスメイトからは「ズルイ!」と非難された。
確かにズルイ。玲奈は自分のズルさを呪った。そしてやはり、1から走って奈良についた。
玲奈は、奈良の大仏と背比べをして、どちらが上かを写真を撮ってみる。自撮り棒は3mはある特注品なので、ドローンな角度から撮影できる。
レナは学級委員という事もあり、皆から慕われていて、撮影を頼まれる。
★
授業中、玲奈は来月の修学旅行を期待して妄想にふけっていた。
授業中、頭ひとつ分、校舎からはみ出しているが、皆慣れてるので誰もその事は気にしない。
不便なのは黒板が足元にあること。。黒板の字が小さすぎること。
玲奈は青空を見上げた。
「あーはやく修学旅行いきたいなー」
飛行機がチラリ見える。
「やはり、行くなら飛行機だろう。」
心の中でそう呟いた玲奈だった…
作品名:平井玲奈 旅のしおり 作家名:西中