悪い人ほど働き者(おしゃべりさんのひとり言 その24)
悪い人ほど働き者
ファミリーレストランでの昼食。
僕はファミレスがあまり好きじゃないけど、ドリンクバーってお得感すごいですね。
アメリカでコーラとかを頼む時、サイズを聞かれる。
マクドナルドでカップの大きさを聞かれるのと同じで、S、M、Lで答える。
でも、どの店もお代わり自由なんだ。
それなら全部、SでもLでも、どれでもいいじゃないか。
大概の人は、カップ満タンにして持ち帰る。
じゃ、Lでなけりゃ損か。
そんな話は置いといて・・・
娘がね、いつもドリンクバーのココアを飲むんですよ。
僕も甘いもの好きだから、少し味見させてもらったりするんだけど、いつもこう思う。
(薄いなぁ・・・)
だからそこに砂糖やミルクを入れるってのも違うし、そんな馬鹿な真似しても美味しくはならない。
ココアパウダーを追加したいよね。
で、何か方法はないかって、考えてみた。
ファミレスのドリンクサーバーって、最初に濃い濃縮液が出て、それを水で薄めるでしょ。
そのメカニズムは見てれば解る。
じゃ、濃縮液が出た時だけ、カップで受けて、次に出てくるお湯はスルー。
そして2杯目を入れて、濃縮液とお湯を受ける。
そうすれば、ココア2倍じゃないか。
やってみたら、見事うまくいった。
濃いココアになって、もうホットチョコレートと呼べる。
でもカップを出し入れして待ってる姿は、周囲に人がいると恥ずかしい。
娘はそんなこと出来ないって言う。
確かに、こんな馬鹿やってる大人はいない。
混んでない時には、店員の目を気にしながらやってたけど、罪悪感がハンパない。
娘はやらないし。
僕もやるべきじゃない。
でも理解りますか?
なんか悔しいって言うか、残念と言うか。
夏の間はアイスココアにすると、なんか余計に薄くなるんじゃないかって気がしますよね。
それがそうでもない。
氷たっぷり入れて、アイス用のボタンがあって、それを押すと薄くならないんです。
てことは!?
アイス用には濃い液が出てくるんじゃない?
そこで僕は、ホット用のカップで受けて、アイス用のボタンを押してみた。
結果、少ない。
で、もう一度アイス用のボタンを押してみた。
カップに8割程溜まった。
アイス用だが、ちゃんと熱い。
それを飲んでみると、ホットほどではないが十分熱く、むしろすぐに飲みやすい。
肝心の味、甘さはかなり濃い。
遂に成し遂げました。
ファミレスのドリンクバーで濃いココアと言うより、ホットチョコレートを飲む方法。
これには、娘も大喜び。
それ以来、毎回アイス用ダブルのホットチョコレートを飲む父と娘。
それを見て妻は、「馬鹿なことには研究熱心ね」
その通りだ、馬鹿やってる時ほど、とことんまでやってみたくなる。
この研究熱心さを仕事や勉強に活かせればいいのだが、その意欲は沸きにくい。
うん? ちょっと待てよ。
真面目なことはやりたくなくって、ふざけたことならやる気が出る人多くないですか?
例を挙げると、ネット犯罪って素人には難しい犯罪だと思う。
専門知識持った人が、悪いことやってる訳だから、それをいいことに使うってモチベーションはないのかな?
オレオレ詐欺なんか、次から次に新しい手法が生み出されるし、マイナンバーがどうとか、キャッシュレスがどうとかって、時代の風潮に合わせた新手の詐欺がどんどん誕生する。
毎日そんな悪い事ばっかり考えてる人がいるってことか。
しかもこの瞬間も、人をだまそうと行動してるんだろう。
よく働くし、役割決めて、悪者一味としての連携も見事。
その努力はすごいと思う。
なぜまともな方向に頑張らないで、悪いことには一生懸命になれるのか、ファミレスのホットチョコレートを編み出して解ったような気がした。
馬鹿な奴ほど研究熱心≒悪い人ほど働き者。
つづく
作品名:悪い人ほど働き者(おしゃべりさんのひとり言 その24) 作家名:亨利(ヘンリー)