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2021,6/3,Thu.

明け方に夢を見た。彼らがTV番組にゲスト出演。
一曲演奏と、少しインタビューのようなこともあるらしい。
夢の中では衝動も素直で、見たい!絶対見よう!という気持ちと。
彼も出たらいいのに、いやまぁ無理なんだろうなって気持ちがあって、
いざ番組を見てみたら、当然のように彼もいる。
以前までと変わらない調子で、でも率先して話し、
他3人は笑って話の進行を任せている。何も変わらない目線で。
そこで一抹の不安がよぎる、インタビュワーはどんな人だろう。
心ない質問に声を詰まらせたりするのかな。
そんなことは杞憂で、全くそんなことには触れない。音楽のことしか喋らない。
まるで何事もなかったかのようにいつも通り。
でも違う、彼の見た目だけ違う。
全て元通りのような振る舞いをしているけれど、痩せている。
目のまわりが痩けて、髪の手入れも前ほど行き届いていない。
よくわかる、何とも思わずにいる訳じゃない。
苦しんだだろう、とても怖いのだろう、それでも今ここに立つことを選んだようだ。
それは覚悟の現れだと思った。そういう人たちだと思った。
そしてこれが、その形で存在しているということは、見せる側もそれを望んでいるということだろう。
見る側もそれを需要すると見越してということだろう。
ああなんだ、そうか。そういえば、そんなメッセージを私も送ったじゃないか。
たくさん彼らに反響があったらしいと知っていたじゃないか。
ああそうだったんだな。なんだ、よかった。
心配しなくてもよかったんだ。

そんな夢を見た。
夢とわかって、本当だったら良かったのに、と思った。
そんなふうに、何事もなかったように「おかえり」をする場所の一部に
いつの間にか、なれていたらよかったのに。
そんな場所に、帰ってきてほしいのに。

作品名:★★★★ 作家名:こじはん