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宇宙に虹、大地に黄昏 2巻

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ブカレストの活気


ブカレストは、フロンティアⅡに存在する街のひとつである。そこは既に薄闇につつまれており、基地だけが煌々と灯火を点けていた。
地球でいう、夕暮れ時である。
けれど、見上げた先は大地で、空が紅くないのが、違った。
それに、街路樹などは常緑広葉樹へと遺伝子改良されたものであったし、不自然なまでに大きな雲があるのは、どこか作り物である側面を隠しきれていないように感じさせるものだ。
コロニーシリンダー内部の中央を浮遊する雲も、地球環境の再現という建前と、頭上の街を隠して、人々に閉塞感を与えないための機構であるという本音を持っていた。
この、コロニー生まれにとって当たり前の光景は、決して快晴をみせることのない空そのものに感じられ、地球からの移民に閉塞感を与えた。
そうなのだ。ここには、上昇気流による低気圧も、山による斜面も、せせらぐ川もない。
あるのは、太陽光を取り込むための河と呼ばれるガラス面と、河によって区切られた三つの長方形の大地である。
それらは全て、気象コンピューターによって独断的に昼夜を与えられているだけに過ぎない。
その矮小に感じるシステムでさえ、数多の人々の苦労があってこそだという認識は、忘れてはならない。
それを当たり前のように享受するようになれば、人は家畜と化すのだ。