小さな窓から
自粛が始まる前から私は狭い世界の中に居た。
人づきあいも少なく、することといえば居住地域の決まった場所へのドライブ、時たま神戸に滞在したりすることもあったが、三年前から腰痛を患い、また先方の家族に思春期の子供がいて家庭内の喧噪を見るのも嫌なのでこの三年間は行っていない。
一年に一度検診に行っていた別府の病院もこの数年はご無沙汰している。
そういうわけでもっぱらWeb上のサイトから見聞きするのが唯一広い世界を知る手段となった。
SNSにはfacebookや出会い系と言われるシニアのサイトもある。
そこでは他人の書いたことを読みコメントをし、又自分が書けばそれにコメントを書いてくれたり拍手をしてくれたりして、そこに他者との交流がある。
もう一つの窓はブログである。
自分が関わっているのは詩のブログのameba、俳句ブログのexcite、写真と日記の楽天、写真の保存庫goo。
最近はGoogleの写真サイトにも仲間入りした。ここは登録者がなんと7800万人でアクティブユーザーは1310万人。
様々な異国の珍しい写真を見ることができる。
たまに私のような小さな世界に住んでそこそこのスキルで撮る写真にもフォローしてくれる人がいる。
毎日更新するのはエキサイトで、俳句ブログとして写真と俳句を掲載しているが自分がアクセスして観ているのは日常の写真が掲載されるブログ。ほとんど毎日更新しているブロガーが多いのでチェックすると先方からもチェックが入っている。
車やバイクで出かけてキャンプをしているブロガーさんは次第にフォロアーが増えているが、たまに書く私のコメントにログインIDではなく、「霧子さん」と書いてくれているので親しみが湧く。
又他に、始めは御爺さんっぽい書き方をしていた方のブログには引用した川柳が追加で二三載せてあって笑い転げるほど面白いが、次第に難しいことを書き始められて始めの印象とは違うので気楽にコメントを書くのを控えるようになった。
その他自分だけが読むメモのブログに、以前書きかけのFC2を使い始めた。
日記帳みたいなもので外部からは見られない設定にしている。
それらをチェックするのは朝の五時か六時ごろ起きて畑の撒水を済ませたあと、朝飯前の時間帯の小一時間ほどだ。
その時間はなにもかも忘れて没頭するので一人ではない気がして、外に眼を向ける一日が始まる。
小さい部屋から広い世界を見るライフワークともいえるひとときだ。