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人の心が読めない

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知恵のある人というのは知能指数とか学歴とかに関係なく人の心が読める人だと思う。
昔の武将で偉くなった人はこの才能が抜群だったのだろう。

相手方の動きから先を予測して事を運ぶ、話しただけで心を読み取れる知恵があれば裏切られることも悲しむこともないだろう。

私は随分後でそういうことだったのかとわかることもあるし、どう考えても読み取れないこともある。

そういう自分の雰囲気は外からは分かるようで舐められてるなと思うこともしばしば。

いつまでも自分に不利な人にくっついていたり、邪見にされて初めて身を引いたこともある。

色々な装飾という殻をまとっている人のほうが尊敬されるようだ。


但し「よく騙されませんねえ」と思われるかもしれないが、押し売りに騙されたことは一度もない。
何故ならお金が絡んでいるので真剣に考えるからだ。

俺俺詐欺にひっかかる人がまだいるのがふしぎなくらいしっかりしている。


先日耳鼻科で治療を受けていた時、診察中の先生が電話で声高に理屈っぽい話を言い合いしていた。
看護師さんに聞いたら、うちにも何度か掛かってきた手口の内容らしい。

そういう面では私より世慣れていないのかとおかしかった。

NTTからです―から始まって、今より安くなりますとの方向で話を勧めてくるアレである。

そういう所は敏感なのに他人の心が読めなくて、三年前に向かいの奧さんが私のことを言ってたことを聞きびっくりした。
親しく話すようになって10年は経っていたが、何かあると持って行ったり内輪の話をしたり、先方も私がサイズが合わず着れなくなった洋服を山ほど持って帰り喜んで着ていたので気が付かなかった。


私の友人達はみなしっかりしていて、人にやられないだろうなと思われる人ばかりだ。
停年まで勤めていた人ならともかく、主婦業のみの友達さえもだ。

人に言わせると、私はひとりっ子だし勤めをしていないから世間知らずなのだという。

わが母は職業的にプライドが高い人だったので、巷の付き合いのアドバイスなどしてくれたことはなくむしろ愚痴ばかり言っていた。

その点では義母は若くしてパートナーを亡くし苦労した人だったから、生前にちらっと注意してくれた言葉はためになった。

夫は世間知など大事なことではないとしきりに言っていたが、一人残されると相談する人がいないので困ることもある。

でも人の心を読む必要もなくなった今、噂される事も腹を立てることもなく回りは閉じこもって暮らしている。
今読まなければいけない事とは何だろう。
作品名:人の心が読めない 作家名:笹峰霧子