電脳マーメイド
46
私は、見知らぬ街を歩いている。すぐ前を行く背中。
優し気な声が届く。
いったい誰が、私にそんなふうに語りかけてくるのか。
生まれてこの方、そんなに優しく温かく語りかけてくれた人はいたのか。
そうか、私は天国に向かっているんだ。前を行くのはその案内人なんだ――
私は誰?
私は、私。エレノア・シュタインベルク。棄ててしまいたい、嫌な名前。
私は生まれ変わるのかな? それとも、神のもとに召されて光と共に幸せな存在になれるのかな――
神様、どうか教えてください。私は、どうなるのかを――