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泉絵師 遙夏
泉絵師 遙夏
novelistID. 42743
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電脳マーメイド

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 優しく語りかけてくれる声。
 今まで、こんな風に語りかけてくれた人がいただろうか。
 私が私のままでいいと、安心させてくれる人がいただろうか。
 暖かい手の感触。
 それが全てを語っているかのような、温もりに満ちた手。
 私は、誰かに助けられたのだろうか。
 確か、ジブラルタルの断崖から身を投げたはず。
 ひょっとして、あれは悪い夢だったのだろうか。
 周りには誰もいなかった。
 だから、海に落ちてから助けられたのか。
 そんなことはない。
 あの高さから飛び降りたら、私の肉体は原形を留めてはいないはず。
 じゃあ、今ここにいる私は誰?
作品名:電脳マーメイド 作家名:泉絵師 遙夏