左端から見れば全部右寄り Part.3
10.ほら、来た
中国共産党の機関紙が『琉球は日本に奪われた』との認識を発表しました。
中身をかいつまんで書き出しますと……。
「清や明の時代、琉球は中国の属国だった」
「日清戦争後の下関条約で、琉球は日本に奪われた」
「歴史的に解決していない琉球の問題を再び議論する時が来た」
……だ、そうです。
香港の煙も収まらないうちに早速来ましたね。
確かに明や清の時代、琉球は冊封国だったようです、ですが冊封国は属国とは違います。ウィキペディアによると冊封国とは。
『古来、中国王朝はその国力と中華思想を背景に近隣諸国との外交関係樹立においては臣下の礼を求め、見返りに交易や対外的な権威を認めた。これが中国王朝を中心とした東アジアにおける中華秩序(中華思想)、冊封体制である。実際に中国王朝に対し冊封国がどのような義務を負っていたかは一律ではなく、個別の事情により異なるが、一般には形式的なものであり、西洋における植民地のように内政や外交に干渉されるものではなかった。例えば、越南は清朝に従属しつつ自らも付庸国を持ち、対外的に宗主国としての地位を得ていた。琉球は清朝に冊封しながも、日本の薩摩藩の付庸国であるなどした。なお、冊封国間にも序列があり、中国王朝から下賜される印綬や冊封使の品階などで区別された。たとえば、奴国(古代日本の国)は後漢から金印紫綬(漢委奴国王印)を、倭の卑弥呼は魏から金印紫綬(親魏倭王印)を、大月氏国も魏から金印紫綬(親魏大月氏王印)を受けており、琉球は明から鍍金銀印(琉球国王之印)を受けている。』
となっています。
『琉球は清朝に冊封しながらも、日本の薩摩藩の付庸国であるなどした』が正しいと思われます、付庸国こそ属国の別称です。
下関条約の全文もウィキペディアにありますが、琉球のことなど書いてありません。
要するに、琉球王国は一定の独立を保ちながらも薩摩藩の一部だったが、明、清とも交易するなどの外交関係を持っていた、と言うことなのじゃないですか?
冒頭に挙げた中共機関誌の記事は、要するに嘘で固めた言いがかりですね。
ですが、中国は言い出した以上後には引きません、面子がそれを許さないのです。
直ちに武力行使に出て来るとまでは思いませんが、じわじわと責めて来ることは充分に考えられます。
手ごわそうな台湾を後回しにして、琉球に狙いを変えて来たのかもしれません。
何しろ、現在の沖縄県知事は親中派の先鋒ですし、基地移転問題ではすったもんだして未だに妨害し放題、尖閣諸島の周りを中国の公船がウロウロしても攻撃できない。
台湾よりも与しやすしとみられても仕方ないかも知れません。
沖縄にはアレルギーと言って良いほどの武力への嫌悪感があります、それは理解できます、しかし、ただ武力を否定していれば平和になると言うものではないのです。
確かに沖縄は大東亜戦争において唯一の内地戦でした、ですが、攻めて来たのはアメリカ軍ですよね、日本軍はそれを迎え撃ったのです、それがどういうわけか、日本軍が住民を殺したようにすり替えられていませんか?
確かにその際沖縄県民12万人が亡くなりましたが、日本軍も6万人戦死しています。 そして広島、長崎ではもっと多くの方が亡くなっています、東京大空襲でも10万人以上亡くなっています。
沖縄『だけ』が犠牲になったわけではないのです。
そこまでの犠牲が出るまで白旗を上げなかった判断が正しかったのかどうかはわかりませんが……。
確かに沖縄にはアメリカ軍基地が多くあります、しかし、日本の各地に基地があり、軍人の数なら沖縄と同程度なのです。
そして、地理的に沖縄が防衛の要であること、これは地理上ある程度仕方がないことであって、決して沖縄にばかり押し付けているわけではないのです。
面積や人口を鑑みれば沖縄の犠牲、負担は大きいと言わざるを得ません、しかし日本軍が沖縄を焼け野原にしたわけではなく、沖縄に基地が多いことも理由がないわけではないのです、『世界一危険な』普天間基地にしても、元々は民家も何もない野原に建設された基地でした、その後、基地需要を見込んで人が住み始めたのです、現に基地反対派ばかりではないのです、報道されないだけで。
プロパガンダに惑わされてはいけません、沖縄を思いやるつもりが沖縄を失うことになります。
もし沖縄の方々が香港の二の舞になることを望むのならば、それはそれで仕方ないかも知れませんが……。
玉城デニー知事、県民投票がお好きなようですから、一度実施されてみてはいかがですか?
数日前『香港は対岸の火事ではない』と書きましたが、中国は予想をはるかに越えて速い動きを見せています。
日本国民は沖縄が狙われていることを認識し、しかるべき予防線を張らないといけません。
沖縄を失うと言うことは在駐米軍を失うことになります、中国が今ある基地を住民に返還すると思いますか? 米軍基地が人民解放軍基地に代わるだけです。
日本は石油をどこから輸入していますか? 主に中東からですよね、タンカーはどこを通りますか? 沖縄から戦闘機が飛び立てばタンカーなど格好の標的にしかなりません、石油を失うと言うことは自衛隊の船、戦車、航空機は動けなくなります。
そうなればもう日本を手に入れたも同然ですよね。
先に引用したウィキペディアの最後の方、気になることが書かれていますよね。
『奴国(古代日本の国)は後漢から金印紫綬(漢委奴国王印)を、倭の卑弥呼は魏から金印紫綬(親魏倭王印)を、大月氏国も魏から金印紫綬(親魏大月氏王印)を受けており……』
琉球がもし中国の手に落ちるようなことがあれば、同じ理屈で日本が狙われますよね。
『日本は中国の属国だった』として。
中国は人口一割増しで経済規模を二倍近くに出来るのです、様々な技術も手に入ります、自衛隊を人民解放軍に取り入れられます、欲しくないわけがありませんよね。
作品名:左端から見れば全部右寄り Part.3 作家名:ST