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問答無用で。

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「─ ちょっと。」

 突然体を、乱暴に揺すられる。

 机に突っ伏して寝ていた俺は、朦朧としたまま 顔を上げた。

 両手を腰に当てた、仁王立ちの女の子と目が合う。

「ガキみたいなイタズラ、止めてくれるかな」

「は…?!」

「寝ている私の首筋に…息を吹き掛けて逃げるなんて どういうつもり?」

「…俺、寝てたし」

「イタズラしてから…急いでここに戻って、寝たフリしたんでしょ!?」

 怒りで意識が覚醒し、立ち上がる。

「今、俺 揺り起こされたよな?」

「たぬき寝入り してた癖に!」

 頭の中で、何かが弾けた。

「この教室、出るらしいから…」

「え?!」

「─ おたくの首筋に息を吹きかけたのは、或いは…」

 目を見開いて、女の子が固まる。

「な、何だって言うのよ?」

「霊」

作品名:問答無用で。 作家名:紀之介