中古で十分（おしゃべりさんのひとり言 その18）
その18 中古で十分
僕はドイツ車が好きです。いろいろ乗ってきました。
大学時代、憧れてた大人の女性がＢＭＷ５シリーズに乗ってたり、社会人になって、とてもお世話になってる方から、ドイツ車しか乗らない理由を聞いていたりしてたから。
今現在、家には車２台有るんだけど、１台は仕事用のアウディＡ３。
もう１台は、家族用のＢＭＷ Ｘ５。
アウディはめっちゃ燃費が良くって、リッター１７キロくらい。
走りも怖いくらいに加速する。
前に乗ったことがあるＶＷゴルフより凄い。
でも実はこれ、会社から与えられた社用車なんで、無茶な運転はしない。
仕事にしか使わないから、年間５千キロくらいしか乗らない。
もう１台のＢＭＷがマイカーで、でっかい車なんです。
ネットオークションで購入したんですけど、慌てて買って、当時は失敗したって思った。
Ｘ３を購入しようと思ってたら、入札してたのに、なぜか途中でキャンセルになってた。
急いでたんで慌てて別の車（今のＸ５）に入札したら、そのまま落札出来ちゃった。
どんな車かよく知らずに、説明と写真だけで買った訳だけど、家に届いて驚いたのだ。
無茶苦茶大きい。車幅が２メートル越えだなんて、もうトラックのようなＳＵＶだった。
中古車を買うのに、現車確認せずに買うって感覚ある？
僕は結構どうでもいいんです。
運がいいから、大丈夫だって信じてるから。
それに、永年お世話になってる外車専門の工場が、格安でメンテナンスしてくれるもの。
そこに頼むと、２０～３０万円で、新車みたいな走りになって帰ってくるんです。
新車を購入して５年乗るより、新車の半分以下の価格の中古を５年乗っても、半額で済むんだもの。
それでも高級車は高級車。
最新でないにしても、装備と性能は一流。
でもここまででかいと、燃費が気になりますよね。
実はその前に乗ってたベンツのＥクラスワゴンがリッター８キロ。
ＢＭＷ Ｘ５はそれより少し悪い、街乗りだとリッター７キロくらいしか走らない。
でも、年間１万５千キロくらい走ります。（だから信頼できるメンテ屋さん必須）
つまり遠出することが多いんだけど、その時はリッター１３キロぐらいになる。
時速１００キロ以上で走れば、効率がいい車って訳だ。
さすがアウトバーンのドイツ車。
だから高速によく乗るなら、安全性能が高くって頑丈なドイツ車がいい。
しかも疲れない。
僕の身長はちょうど１８０センチだけど、アウディＡ３じゃ狭い。
膝がハンドルに当たるから、ガニ股に足を開くと、センターコンソールの縁に膝が当たって痛い。
肘はドアに擦ってる感じで、肩が凝る。
さらに降りるには、ドアを足で蹴って開けないと体が出せない。
やはり、こいつは大衆車だ。
その点ＢＭＷ Ｘ５は、全くどこにも体が干渉しないし、シートもどっしりしてる。
６時間連続運転しても、全く腰など痛くならないのだ。
これは高級車で共通した特徴だと思うけど、ベンツで１８時間で９５０キロ走った時に気付いた。
もちろん休憩しながらだけど。
でも今ＢＭＷ Ｘ５で悩みが一つあるんです。
タイヤが高いんですよ。
サイズがでかいのがその理由。
ピレリ―Ｐゼロというのが装着されてたんですが、これ憧れのタイヤ。
大学時代に親戚が営むタイヤ専門店でアルバイトしてた時に知った、Ｆ１で採用されてたタイヤです。
後輪が太くて、１本の値段が４万７千円。４本そろえると約１８万円。
このサイズではＢＭＷ用の他に、フェラーリ用しか見かけません。
うちは走行距離が多いので、２年で履き替えないといけないけど、今がそのタイミングなんです。
５月になってもまだスタッドレスタイヤ履いてるんです。
夏タイヤ買わなきゃと思いつつも、２年で１８万円と思うと躊躇してしまう。
そこで候補に挙がったのが中古タイヤ。
そこそこ溝が残ってて、１シーズンだけ使えればいいかと思って探し始めたら、あることに気が付いた。
４本セットが高くても５万円くらいで出てるんだけど、予想以上に安い。
残り溝８０％あって、パンク痕はない。生産後３年くらいしか経ってないし、ひび割れなんて無ーい。
これで十分じゃね？
だってピレリ―Ｐゼロだもの。ＢＭＷ専用だもの。
でもちょっと心配で、メンテ工場に聞いてみた。
「そりゃ売れないからだよ。そのクラスの車乗ってて、中古タイヤ買う人っていないでしょ」
そりゃそうだ。そんなタイヤ代なんて、気にしてる人が乗る車じゃなかった。ってことは、中古タイヤは僕のためにあるんだ。
つづく
作品名：中古で十分（おしゃべりさんのひとり言 その18） 作家名：亨利(ﾍﾝﾘｰ)