オヤジ達の白球 71話~75話
オヤジ達の白球(75)ピンクの割烹着
日曜日。午前4時。
祐介が厨房で、せっせと弁当を作っている。
5升炊きの業務用ガス炊飯器を今日のために借りてきた。
100個分の握り飯を、22分で炊くことができる。
むらしの時間を入れても30分でにぎりめし用の米が炊きあがる。
午前4時30分。
入り口のガラス戸があく。完全武装の陽子があらわれた。
「なんだ。色気のない白熊の登場か。どうした、
アラスカへでも行くつもりか?」
「ごめんなさいね。色気のない白熊で。
何度あると思ってんの。氷点下なのよ、おもての気温は」
「そんなに寒いか。表は・・・」
「あら、表の気温もわからない状態なの、もしかして。
ひょっとして、昨夜から泊まりこみ?」
作品名:オヤジ達の白球 71話~75話 作家名:落合順平