左端から見れば全部右寄り Part 2
5. ちょっと待て、その一歩が命取り
昨年7月、新日鐵住金に対して損害賠償を命じる判決が下りました、日韓関係がかつてない冷え込みを見せるきっかけの一つとなったいわゆる徴用工判決です、そして今年1月9日、今度は三菱重工に対する判決がソウル地裁から下されました。
判決の内容は新日鐵住金の時とうって変わって、被害者とされる約40人のうち、1人に対してのみ、1,000万ウォン(約94万円)の賠償金支払いを命じる判決を下したそうです。
また、裁判の管轄権は日本側にあるとした三菱重工の主張は退けられました。
新日鐵住金の時とずいぶん違いますね。
まぁ、それくらいなら大したことない……と考えてはいけません。
この判決、かなり怪しいです。
まず、たった一人、しかも少額とは言え、これを支払ってしまったら三菱重工は徴用の事実があった事を認めたことになってしまいます。
しかもこの判決はソウル地検の判決です、今回賠償が認められなかった原告が控訴してごらんなさい、あっさりひっくり返りますって、なにせ『三菱重工が徴用の事実を認めた』のですから勝ち目はありません。
裁判の管轄権が日本側にあるはずだ、と言う三菱側の主張も受け入れられませんでした、つまり『徴用工問題は韓国で裁く、日本の司法はすっこんでろ』ってことです。
これ、『罠』ですね、三菱重工くらいの大企業なら1,000万ウォンくらいはした金でしょう、これ以上争うのは面倒だから払ってケリをつけてしまいたいと思っても不思議はない、そこを狙った判決だと思います。
司法が罠を仕掛けて来るなんて日本人なら考えもしませんからね、そこを狙って来てるのではないかと……。
穿った見方をし過ぎでしょうか?
でも、これって‘65年の日韓請求権協定で解決済みの問題なんですよ、その協定に不服があるなら韓国政府を相手取って訴訟を起こすのが筋と言うものです、それを『国としては協定を結んだが、個人の請求権は消滅していない』として蒸し返してるくらいですから、あながち見当外れではないと思いますが。
それ以上に思い返さなければならないのは、いわゆる従軍慰安婦問題です。
この問題は朝日新聞が吉田清治氏の『証言』を事実として報道したことに端を発します、その後吉田氏は証言の大部分が虚偽であったことを認めていますが、’93年に当時の官房長官だった河野洋平氏がいわゆる『河野談話』を発表して謝罪したことで、韓国国内では『事実』とされてしまいます、その時、どうやら『一言謝罪してくれれば韓国世論は収まるから』とそそのかされたらしいのです、それが事実だとしたら罠ですね。
今回の三菱重工への不自然に軽い判決が罠ではないと言い切れるでしょうか?
タイトルの『ちょっとまで、その一歩が命取り』は、一歩退くことが後年の憂いを招くことがあるのではないか? と言う意味です、三菱重工が少額だからと賠償金を支払ってしまうと『事実と認めた』ことになってしまうからです。
いわゆる慰安婦問題の二の轍を踏んではなりません。
作品名:左端から見れば全部右寄り Part 2 作家名:ST