左端から見れば全部右寄り Part 2
3. 報道しない自由?
河野防衛大臣のブログより引用させていただきます。
>2020年1月8日(日本時間)、イランから発射されたミサイルが米軍及び有志国も駐留するアル・アサド及びエルビルの二つのイラク軍基地に着弾しました。イラン革命防衛隊は、地対地ミサイルの発射を発表しています。
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イラクで何が起きたのか、公開情報で時系列に見ていきます。
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2019年10月以降、イラクで米軍が駐留する基地に対する攻撃が多発しました。
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バグダッドで10月2日、タジ空軍基地で10月28日、バグダッドで10月30日、アサド空軍基地で12月3日、バラド空軍基地で12月5日、バグダッドで12月9日、12月12日、ロケット弾などでの攻撃がありました。
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アメリカ人には被害はなかったもののアメリカはソレイマニ司令官の関与を主張。
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12月27日、対ISIL有志連合が駐留するイラク中部キルクークのイラク軍基地にロケット弾30発以上が着弾し、米軍が契約する民間人が1人死亡、米軍兵士4人とイラク治安部隊2人が負傷しました。
29日、アメリカはこの攻撃を含む米軍への相次ぐ攻撃を行ったとしてイスラム教シーア派の武装組織カタイブ・ヒズボラの拠点5カ所(イラク西部3カ所及びシリア東部2カ所)へ「防御的対応」として精密攻撃を実施。
12月31日、カタイブ・ヒズボラに対する米軍による攻撃に反発したイラクの民衆がバグダッドにあるアメリカ大使館を襲撃し、大使館の建物が損傷し、米国務省はイラク在住のアメリカ国民に対し、イラク国外への退去を要請。
アメリカは、イランと関係の深いシーア派民兵組織がデモを扇動し、デモの中に民兵組織の制服を着た構成員を確認したと主張。
同日、大使館防護を目的にクウェートから海兵隊を緊急展開するとともに、エスパー国防長官が空挺師団から一個大隊(約750人)を緊急展開する計画を発表。
1月2日、エスパー国防長官は、イランとその代理勢力がアメリカへの攻撃を実施する兆候がある、局面は変化し、米軍はイランへの先制攻撃を辞さずと警告。
1月3日現地時間00:30、ソレイマニ司令官の搭乗機がバグダッド国際空港に着陸。司令官は車両に乗車。
空港を出発し、貨物ターミナル付近を走行しているところに米無人機から発射された誘導ミサイルが命中し、司令官は死亡、同乗していたカタイブ・ヒズボラのムハンディス司令官も死亡。
3日、トランプ大統領が、戦争を開始するためではなく防ぐための攻撃だと主張。
同じく3日、イランの最高指導者ハメネイ師は3日間の喪に服すこと及びその後の報復を宣言し、イランの国連大使は国連事務総長宛ての書簡で自衛権の行使を示唆。
1月4日、バグダッド市内のアメリカ大使館が所在するグリーンゾーンにロケット弾2発が着弾しイラク人3人が負傷し、さらに米軍が駐留するバグダッド北部のバラド空軍基地にロケット弾3発が着弾。
トランプ大統領はイランが報復すれば、アメリカはイランの重要な施設52カ所を攻撃すると警告。
米国防省は、中東地域に米軍3000人を追加派遣すると発表したとの報道。
1月5日、ハメネイ師の軍事顧問がイランは米軍施設に直接報復すると発言したとの報道。
イランは核合意の濃縮能力に関する制限を遵守せずと表明するもIAEAとの協力関係は維持する旨を発表。
5日、イラクの議会は米軍その他の外国部隊の撤退を求める決議を可決。
1月6日、テヘランでソレイマニ司令官の葬儀が行われ、国営メディアは数百万人が集まったとの報道。
イラクのアブドルマハディ暫定首相は米大使に対し、駐留部隊の撤退への協力を要請。
1月8日(日本時間)、イランから発射されたミサイルが米軍及び有志国も駐留するアル・アサド及びエルビルの二つのイラク軍基地に着弾。イラン革命防衛隊は、地対地ミサイルの発射を発表。
日本政府は情勢の分析を進めると同時に、今後の変化を見極めるべく努力をしていきます。
以上、引用終わり
このブログ記事に昨夜のトランプ大統領の『アメリカ人兵士に被害はなかった、武力行使はしたくない』声明を加えれば今回の騒動の全貌になります。
アメリカが『武力行使はしたくない』と言った以上、イランもこれ以上は動かないかと思います、まだ安心はできませんが、戦争になる可能性は格段に小さくなったようで胸をなでおろしています。
河野大臣のブログ記事は事実を時系列に沿って淡々と並べた、実にわかりやすいものだと思います、でも本当はマスコミがこれをやらなければいけないと思うんです。
12月31日までの経緯、ご存知でしたか?
まあ、その時点ではここまできな臭いことになろうとは、私も思っていなかったのですが、ちゃんと報道されたかどうかはいささか疑問です。
普段あまりテレビは見ないので断定はできませんが、よくテレビを見ている母親は知らなかったようです。
1月3日のソレイマニ司令官殺害を騒動の起点のように報道すれば『トランプ大統領の暴走にイランが報復した』と見えてしまいます。
そこに『報道しない自由』が行使された可能性はないでしょうか?
反トランプのフィルターを通して報道していないでしょうか?
私たちはフィルターを通した報道を真に受けないように気を付けなければいけないと思うのです。
作品名:左端から見れば全部右寄り Part 2 作家名:ST