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フリーソウルズ2

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Scene.58
ユアトビジョン

灌北アリーナ内控室

リョウ 「来れないってどういうことだ?」
レン  「ユアトが来なくて、どうやってコーナー進めんだよ」

リョウとレンに詰め寄られるカモ。

リョウ 「はじめからぶっちするつもりだったんだ」

ゆっちんがスマホでメールを確認している。

ゆっちん「スカイプで出演するってよ」
リョウ 「スカイプ?」
レン  「なんで?」
ゆっちん「詳細は控えるが、総理直々に緊急の有識者会議に招かれた、そうや」
リョウ 「ならそっちをスカイプにすりゃいいだろ。こっちが先約」
カモ  「総理直々だからな。よっぽど大事な会議なんだろ」
リョウ 「こっちは大事じゃないっていうのかよ」
ゆっちん「だからスカイプで出演するって。生配信も続けるって」
レン  「大事な会議って何だよ?」
カモ  「俺が思うに・・・今、日本中で動物による襲撃事件が起きてるだろ。死傷者が多数出てる。あれに関係してると思う」
リョウ 「未だ原因がわからないってやつか」
ゆっちん「海外メディアも注目しとるな、CNNとか」
カモ  「野党議員の政権への口撃が半端ない」
リョウ 「で、エセユーチューバーのユアトにまで、声がかかったってわけか」
ゆっちん「ユアトを知ってる者が、政府の中にいることが驚きやわ」
リョウ 「でもカモさん、どうするよ。ユアトに会いたいがために時間割いてくれたんだよ、姫君」
レン  「謝罪しに行ったほうがいいんじゃないか?」
ゆっちん「じゃ、僕、謝りに行ってくる」
リョウ 「ゆっちん、お前はJKの楽屋に行きたいだけだろ」
ゆっちん「お、この中に、人の心を読める奴がひとりおるな」
カモ  「(おもむろに)俺が行く」

と言って立ち上がったカモをゆっちんがスマホを見て制する。

ゆっちん「待って。メールの続きがある。みんなには自分から直接オーロラビジョンを通して謝るから、このまま進めて。だって、ユアト」


作品名:フリーソウルズ2 作家名:JAY-TA