神殺の罪
二之話 木章転結
漆視鬥家は代々裏の鬼斬りとして活躍していた。鬼殺隊に入ってはいるが柱になった者はいない。漆視鬥の家訓として柱として、全人類を守る者としての心構えが確かめられない者は柱にならず、という風の言葉が語られている。その漆視鬥家の長男として生まれた朽糸葉という者は漆視鬥の過去を漁っても稀に見る異端児であった。
漆視鬥は全て水の呼吸の派生の隊士が多くその中で朽糸葉だけは水の呼吸の派生ではなかった。というより全ての呼吸法が朽糸葉に合わなかった。朽糸葉が呼吸をしようとすると体が痙攣を起こし倒れこんだ。その反動を繰り返す度唯一体にあった呼吸法があった。それが木の呼吸だった。
木の呼吸は自身の回復や、木を操作するという呪術のような呼吸であった。もちろんその呼吸を見た両親や親戚は朽糸葉を畏怖し、本家から遠く離れた蔵に隔離をした。
隔離した翌日事件が起こった。朽糸葉の姉である漆視鬥 うつしが漆視鬥家の親方。うつしの実の父を切り殺したのだった。その後うつしは離れの蔵から朽糸葉を連れてきて、漆視鬥の大人たちに
「朽糸葉は私の弟よ!弟に何かするなら家族だって容赦しないわ!やる気なら掛かってきなさい!!」
この時うつしはまだ10歳にもならないときに戊まで登りつめていた。親方のみに忠誠を誓っていた大人たちが切りかかろうとしたとき、一瞬で首が吹き飛んだ。
あまりにも一瞬で周りの人は呆気にとられたいた。
「さぁ、やるの!?やらないの!?」
うつしが切り伏した後言い放った。すると、うつしと朽糸葉の母親が出てきた。
「いえ、やらせません。漆視鬥当主代理としてここに、漆視鬥 朽糸葉を当主とし後継者に定めます!」