L K ゼロ 「スピンオフ」(仮題)第7話まで公開
第5話 吾輩はタックである
俺は、朝一番遅く起きる。するともう、みんな起きてる。早起きだな。
いや、一匹だけ寝てるやつもいる。ミュウとかいうチビだ。
俺と同じくらいの大きさなのに、ほとんど動かない。
でも鳴き声はでかい。「うぎゃー」って鳴く。
意味は分からないけど心配になるよ。
エルは好き。ニャーって言うと抱っこしてくれる。
でもエルはミュウのものだ。
ずるいことに、ミュウはピンキーも持っている。
そうだ。ルージュもいた。
ルージュは嫌いじゃないけど、やかましい。
ペチャクチャペチャクチャしゃべってる。
エルのものだから、こいつもミュウのものなんだ。
朝ごはんは鶏肉を食う。
ドライフードは嫌いだ。あごが疲れる。
ミルクもうまい。お肉にかけてくれる。
毎朝、キュウが準備する。
このキュウは俺のものだ。暇な時遊んでやる。
でっかいジェイは、きっと俺のことが怖いんだ。
触れないくせに、話しかけてくる。
でもジェイはキュウのものだから、俺のものだ。
食後は散歩しながら、見回りに行く。
ヤギがいる。牛がいる。豚もいる。何匹いるか数えないといけない。
「1匹、2匹、いっぱい」
よし、今日もいっぱいいるな。
鶏はケージに入れられている。
何とかあそこに入れないかな。
朝飯食ったばかりだから、本気にはなれないけど、そのうちに。
昼になったら、グリンがドライフードにミルクをかける。
グリンはキュウのものだ。
だから俺のもの。
ぽかぽかのバルコニーの椅子で寝る。
とても気持ちいいぞ。大体夕方まで寝る。
その間、みんなもきっと寝てるんだろう。
夜になるとみんなで晩飯食う。
そこに、イエロービーがやって来る。
こいつ昼間は何してやがるんだ?
よくジェイと話をしてるから、俺のものって言ってもいいだろう。
今日もみんな、よく頑張った。
明日も見回りをしっかりしないとな。
俺が見張っとかないと、みんなどうしようもないんだから。
平和を守るのって大変だよ。
あっ。ブルーノが来た。
ということは、ケイが来る。
ブルーノはケイのものだから。
でも、ケイは誰のものかわからない。
俺のことを指で摘まみやがる。
それされると、何もできなくなってしまう。
俺ってケイのものなのかな。
作品名:L K ゼロ 「スピンオフ」(仮題)第7話まで公開 作家名:亨利(ヘンリー)