おしゃべりさんのひとり言【全集1】
最近、企業から労働者を守るための法律がすごく増えたと思います。『働き方改革』とか言って、サボり方の手ほどきになってしまっていますし、それをシメシメと思う人に、将来の会社を任せるはずないじゃないですか。
やっぱり、骨のあるやつは別のところにいると思います。
同年代同士なら、いい話があるとすぐに盛り上がるけど、20代の若者が40~50代の成功者の言うことを、すんなり受け入れて動き出すなんて、なかなか無いだろうな。
僕は若い時、そんな成功者たちの言うことを聞いた方が、自分のためになると思って来たから今があるんだけど、それを説くと、若い人はウザく感じるだろう。もったいないよね。
はっきり言って、「僕らは、そんじょそこらの会社の上司なんかとは違うんだぜ!」って言ってみたいけど。まさしくウザいよね。
そこに(歳を取ったなぁ)とか感じるんだ。
よく考えてみたら、今まで僕たちのビジネスをサポートしてくれていた方々が、凄いヤツばかりを発掘して、そうでない人を受け付けてなかったから、身の回りに面倒な人がいなかったおかげで、僕は順風満帆な人生を送ることが出来てたんじゃないかな?
凄いヤツは何でもできるし、恐れを知らずチャレンジする。自己を正当化するために結果を出す。
それが今、若い人に引き継がせようとすると、そうそういい人材って、なかなか見付からないもんなんだって、初めて知った僕たちが「最近の若いヤツは・・・」ってことだろう。
このドイツでの出来事、僕のビジネスじゃなくって良かったです。こんなクズでも、会社は擁護してやらないといけませんからね。
結局その新人は現地駐在員の逆鱗に触れ、即刻帰国させられたそうです。すごい経費の無駄遣いですけど。
帰国後すぐに、自首退職したのは納得の流れですが、またこいつがハラスメントを受けたと言って来たそうです・・・
そのハラスメントの主張、一つひとつがこれらです。(→僕の見解付きで)
「海外に慣れてない新人を一人で帰国させたのは、会社としてブラックだ」
→おっと、それは大変だったろうね。でも添乗員を付けるなどあり得ないと思う。そもそも原因は君だ。誰でも初めての出張での一人移動は緊張するけど、大人なら乗り越えられるでしょ。現に無事帰国できたじゃない。この経験からスタートして一人前になるんだよ。
「希望の業務を伝えていたのに、自分に向いてない部署に配属させられて、人生の時間を無駄にした」
→そうか、だから勤務態度が悪かったのか。会社からその希望業務は君には向いてないって判断されたんだと思うよ。いや、それ以前に君自身が会社員に向いてないように思うけど、なんで会社員なんかになったの? 人生を語るなら、希望の仕事を自分で始めればいいじゃないか。僕はそれを若い人に教えたいのにな。
「何の相談もなく、帰宅時間になって残業を強制された」
→ああ、よく聞く苦情だけど、自分がしたくなかったら断ってもいいんだよ。その後の査定には影響あるだろうけど、それが会社なんだから。自分の業務が遅れてるとか、他の業務の応援に入った方がいいのかなんて、周囲に気配りできる人なら、残業覚悟してると思うよ。そういう人にならないと、君の仕事を助けてくれる人って現れないから、その仕事を続けられないだろうね。きっとアルバイト時代も簡単に辞めてたでしょ。
「入社後すぐに、電話番をさせられてストレスだった」
→ふうん。かかってきた電話に出るのが怖かったのかな? 電話番なんて仕事はないと思うけど、小さい会社だったらそういうことも仕方ないんじゃない?、他には君に任せられるような仕事がなかったのかも。相手に「携帯に直接かけろ」って言ったことあるそうだね。これじゃ、電話番も任せられないよね。
「用事のある日は、有給休暇をもらわないと困ります」
→じゃ、仕事のある日は出勤しないと会社が困るって考え方はないのかな? でも事前申請して業務都合さえ付いたら、いつ休んでもいいんだよ。当日の朝に一方的なLINEで伝えるんじゃなく。
「バイトではチーフを任されていたのに、ここでは何も意見を聞いてもらえなかった」
→ええ!? 言うね。何十年のバイトキャリアでの話? 数日とか数週間で出来るジョブってことでしょ。会社のワークじゃ、もっと経験を積むことがあるし、それを頑張った人がビジネスをやってるんだよ。
「構内駐車場が空いているのに、徒歩で10分離れた第2駐車場を振り当てられた」
→ハイハイ。それは、構内駐車場の専有率は80%で制限されていて、空き分はお客様用に取ってるんだって。きっと多くの先輩たちも歩いてたでしょ。振り当ての順番から言えば、君はまだまだ最後の方。どうでもいいわ。
「パソコンを支給してもらえなかったので、仕事にならなかった」
→この仕事ぶりで、パソコンを何に使うの? そもそもパソコンをちゃんと使いこなせるのかな? インターネットでもして遊んじゃ困るから、まだ新人には支給しなかったそうだ。使いたかったら、自分で買えば?
「ちゃんと挨拶しているのに、挨拶しろと言われた」
→それは、してない相手もいたってことじゃないのか? お疲れ様です。
このような出来事がハラスメントに当たると、内容証明付きの手紙で来たそうです。
こんなことで訴えられても、バカらしくて対応する気にもなれないけど、無視しといて、相手の言い分が調停で認められても困るし。きっと嫌がらせが目的なんだろうけど。もしそうだとすれば、それも上司(会社)へのハラスメントになるって知ってるかな?
でもその手紙、弁護士か何かから送られて来たのかと思ったら、本人が直接送って来たと言うから、(何考えてるんだ?)(こいつのやりそうなことだ)と皆思ったそうだ。
その後は半年くらい何も進展がないので、相手も気が済んだようだけど。
本当に何でもハラスメントって呼べば、正当化できると思ってるのかな?
他に『何ハラスメント』を作って困らせたいんだろう?
世間では、セクハラ、パワハラ、モラハラ、マタハラ・・・うーん、この辺りなら、被害者の気持ちを考えれば、その訴えも理解できるけど、さらにさらに無造作にどんどん増えるハラスメントのカテゴリー。一人一個、ハラスメントを作りだそう!ってキャンペーンでもしてるみたい。
サボるために、事細かに一例ずつハラスメントのカテゴリーを増やして、注意を受けないように上司を牽制する目的で使ってない?
それでこの日の会合に来たメンバーの一人が言った言葉、
「これはもう、ハラハラ(わざとハラスメントにしようとするハラスメント)だ」
じゃ、仕事ってどんな人に任せたりらいいの?
おまけに、つづく
作品名:おしゃべりさんのひとり言【全集1】 作家名:亨利(ヘンリー)