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みゅーずりん仮名
みゅーずりん仮名
novelistID. 53432
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『 肥満大敵でも油断大敵。』

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え、すごい本を読んだ。どこかの国の小説本なんだが、肥満の女を酷くこき下ろす本で、健康本を読むより余程ためになった。しかし後味が悪い。俺は背中を丸めてスーパーマーケットから出る。コンビニばかりじゃ痩せちゃうしな。とぼとぼと、スーパーの袋を下げて歩いた。これからこの食材たちが腐り果てる前に使い倒さないといけない。チリンチリンとベルが鳴り、右側を自転車が走ってゆく。なんかこれだけで肥満というものとは縁遠いのではないだろうか。しばらく歩く、畑みたいなのの横も抜け、細いジャリ道も通り、やっと自宅前に来た。ここで、カロリー計算150calのスマホ表示を見て、やはり俺は太り散らかす心配はないな、と思い、デブとハゲになるのはごめんだ、と思った。
料理は得意だが、プロ級という程のことはない。肉を小分けにして冷凍した。肥満を作れるほどの食材を買い込んだことを後悔していると、チャイムが鳴った。お届け物はこの間頼んだカップ麺30食分だった。家の中のことをあれこれ片付けていると、突然、腰痛が襲った。この痛みはマズイ。一度しゃがんでしまうと腰が立たない。
数日後、自力で生きた俺は小太りややブタ腹状態になっていた。肥満になりようがないと外国人の書いた本を軽くあしらったからかと思い、ユウウツになった。カロリーを消費するのは寝ているときです、という本のタイトルが目に付いていた。