【詩集】 蒼い風
しあわせゆきのきっぷ
ある日、だれかがくれました
しあわせゆきのきっぷを
そして、わたしに言いました
乗りおくれてはいけないよと
わたしはとてもうれしくて
きちんと見はしませんでした
言われたとおりに乗りました
しあわせゆきの電車に
だからあなたと出あいました
ほんとうにうれしかったのです
ほんとうに、ほんとうに
こんなにも、だれかを愛せるじぶんが
あなたに出あえて、ほんとうにしあわせだったのです
でも、あとでわかりました
あのときだれかがくれたきっぷは
片道だけだったのです
だからわたしは帰れない
ずっと終点で待つしかないのです
だってわたしはきっぷを持っていないから
戻る電車が来たとしても
わたしはそれに乗れないのです