小説が読める！投稿できる！小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ！

黄昏の丘

　木々のさざめき春の萌葉の香りが
　私の心を虚ろな夢の世界へいざなう
　風が枝を揺らすほかは
　何の音もない世界
　黄昏時の淡い空の色が
　無限の時を感じさせ
　心の奥底に眠っていた何かを呼び覚ます
　たまらなくじっとしていられないような
　不思議な胸の鼓動
　ずっとこのままひざをかかえていたいような
　不安定な心の安らぎ
　その何もかもを否定せずに
　その中へ受け容れてくれる
　遠くの空を鳥がわたって行き
　遥か西の山に陽が沈む
　そして無数の星がきらめく夜の中に
　そっと私を包みこんでゆく