決まってるでしょ!
「3月の14日」
「<女の子がプレゼントを貰える祭り> の日じゃない!」
「一般的には、ホワイトデーと言うけどな」
「まあ、それはそれとして──」
「…手なんか出して、どうした」
「頂戴♪」
「何を だ?」
「ホワイトデーの お・か・え・し」
「因みに お返しと言うのは…何かを渡した人が貰うものだって 知ってたか?」
「ほら私、そう言う細事には こだわらない人だから」
「俺はバレンタインに、チョコどころか 何ひとつ貰った覚えはない」
「やれやれ。何をいってるんでしょねぇ この人は」
「は…?!」
「─そんな無粋なものじゃなく、もっと良いものを 受け取ってるでしょ。」
「試みに尋ねるが、何の事を言っているんだ?」
「私の愛♡」
「笑止。」
「うー」
「歯を剥くんじゃない」
「どうして あんたは、そんなに心が狭いかな」
「誰が狭量だと?」
「たかがチョコをあげなかっただけで、ホワイトデーに何もくれないとは…」
「─ 何も渡さないで、お返しだけ期待する奴が 何を言う」
「私と同じ、背の長さの癖にぃ」
「背は、た・か・さ だ」
「ほんと、細かい男だなぁ」
「お前が いい加減なだけだ」
「いーだぁ」
「ふん」
(…ホワイトデーをくれたら、それに かこつけて、あげそこねたチョコを、渡そうと思ったのにぃ──)
(もしかして今日、遅いバレンタインチョコを渡されるかもと思って、お返しの準備は してあるのだが。。。)