道
前だけを見て歩いてく
見たい景色があったから、
行きたい場所があったから、
傍らに咲く花々や
頭上を過ぎ去る鳥たちを
たまに楽しく眺めつつ
まっすぐ ひたすら 進んでく
けれども道を遮るように、
突如、亀裂が現れた
見たい景色があったのに
行きたい場所があったのに
前方に見える黒い木々
頭上を覆う暗雲に
心が暗く沈んでいって
どうしても足が動かない
亀裂の先を眺めつつ
どうしようかと考える
見たい景色があったけど
行きたい場所があったけど
変わってしまったその場所が
変えられてしまったその場所が
少しも心に響かない
少しも心が動かない
立ち止まってもいられない
亀裂に沿って歩きだす
見たい景色を変えて行こう
行きたい場所を変えて行こう
見ない振りしたわき道や
気付かなかったけもの道
今度は通って見てもいい
少し冒険してもいい
一本道をそれた先
何があるかは分からない
痛くて 辛くて 苦しくて
怒って 泣いて 傷ついて
くすぐったくて 癒されて
歌って 笑って 喜んで
一本道をそれた先
知らない景色のその中に
知らない場所のその中に
焦がれる景色を探してく
生きたい場所を探してく