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死んでも俳優~それこそが役者魂(プライド)~

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大人気イケメン俳優「雨澤恭時あまざわきょうじ」。32歳。

彼は、人気だけでなく、実力も高い、国民的スター。さまざまなドラマ、映画、舞台、ミュージカル、バラエティ、CMと、あっちこっちから引っ張りだこだった。





ある夏の日の事。





「お疲れ様でした~」

「はい。お疲れ様でした~」





「今日も仕事が終わったな~」


雨澤は帰った。


ドアのカギを開けて、家に入り、そして、ソファーに座る。

だが、「ただいま」は言わない。そう、雨澤は、1人暮らしなのだ。





「フ~ッ!!今日は疲れた~!!!」





そのまま、雨澤は寝た。


次の日の朝。





「フ~ッ!!良く寝たな~!!!」





しかし、何かいつもと違う。





「アレ?何か妙に身体が軽い?気のせいかな?」





とりあえず、雨澤は、台所へ向かい、冷蔵庫から色々なモノを出して、朝食を食べ、コーヒーや牛乳を飲む。そして、

歯を磨こうと思い、洗面所へ向かった。





だが・・・・・・





「ア・・・・・・!!アレ・・・・・・!?」





そう、鏡には、自分が映っていなかったのだ!!!





(ど・・・・・・どういう事だ・・・・・・!?まさか、さっき起きた時に妙に身体が軽過ぎるような気がしたのと、

何か関係があるのか・・・・・・!?)





急いで寝室に戻ると、そこに、自分の身体があった。





(やっぱり!!!まさか・・・俺は、死んじまったのか!?でも・・・何で・・・・・・!?)


イチかバチか、同じ俳優の親友を頼ろうと思った。





「ハァハァ・・・・・・」





走って親友の家へ向かった。





〝ピンポ~ン〟





(身体はないけど、触れる事は出来るんだな)





「は~い」





ドアが開いた。





〝ギィ~〟





「おう!!恭時!!!どうしたんだよ!!!」

「良かった!!!」

「え?」

「盾哉、俺が見えてるんだな!!」

「え!?何だよ!!(笑)何ワケわかんねぇ事言ってんだよ!!!」

「ちゃんと、俺の声も聞こえてるんだ!!!良かった!!!

コレは奇跡だ!!!」

「いや!!お前、おかしいぞ!!!どうしたんだよ!?」

「いや、俺、実は、死んじまったんだよ!!!」

「は!?」


その後、雨澤と阪部は、ドラマのスタッフ達のところへ行った。


「あの、多分、見えないと思いますけど、ここに雨澤が

いるんです!!!」


「ん~・・・そう言われても、信じられないね~・・・・・・昨日まで元気だった雨澤君が突然死んで、幽霊としてそこに立っているなんて・・・・・・」





すると・・・・・・


カメラを調整していたカメラマンが言った。


「ここに雨澤君と思わしき人の姿が映ってます!!!」

「何だって!?」





「え!?」と、驚いた雨澤が言った。


「でも、こうやって、雨澤君の姿も声も、カメラに収められるなら、雨澤君は、俳優を続けられるんじゃないのか!?」

「え!?」


「分かりました!!!やります!!!」と雨澤が答えた。

「え!?」と、阪部が驚いた。





「どうした?阪部君」とプロデューサーが聞く。

「コイツ、今、〝やります〟って言いました」と阪部が答える。

「そうなのか」

「はい」





「でも、お願いしたい事が1つだけあります」と、雨澤が言った。

「あの、コイツ、今、〝お願いしたい事が1つだけあります〟と言いました」と阪部がスタッフ達に言った。

「え?」