定住すること
からだに
取り入れて
吸収して
飲みこんで
おなかに
溜めこんで
しずめて
定住させる。
良いものって、
雨が降ったあとの
誰にも依存しないし
拒んでるわけでもない
澄明な空気だったり
秋の始まりに吹く
夏のひと懐っこい温度を残して
やわらかく
頬をなでてく風だったり
深夜の真っ暗やみから見える
遠い遠い遠くて近い
歩道にたたずむ
一本の輝く街灯だったり
するんだ。
中にいると
良いものが
溜まって
淀んで
沈んで
埋まって
蓄積してゆくような
厚ぼったい膜が覆うような
どんどん空気が塞がってくような
内だけの
暖かい空間が生まれる。
あったかいんだ。
定住。
定住させすぎると破裂する。
でもそこにいたいんだ。
ずっと。
良い空間。
素敵な空間。
自分の空間。
自分だけの空間。
淀む溜まる沈殿する。
さぁ、
蓄積する前に
膜が覆う前に
空気が塞がる前に
前に、
外へゆこうか。