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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「美那子」 歳上 一話

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美那子は母親が離婚して少し落ち込んでいた様子だったから兄が慰めているうちにそういう関係になってしまったと感じた。
自分との性行為は拒否したのに母親とするだなんて美那子は少し許せない気持ちになった。

やがて秀一郎は起きてきて美樹と美那子が向かい合っているところへやってきた。

「美那子、早起きだなあ~」

「お兄ちゃん!どこで寝てたの」

「うん?それは・・・」

「お母さんに聞いたわよ。最低ね、母親とそういう関係になるだなんて!」

「バカか、お前は。なるわけないだろう。一緒に寝ただけでそこまで言うなよ。よく聞きもしないで想像で話すんじゃないぞ!」

「美幸さんに今日のこと言えるの?恥ずかしくないって思えるなら話しなさいよ」

「もちろんだよ。お前に非難されるようなことはない。これからだって一緒に寝ることがあるかも知れないけど、親子なんだから混浴のお風呂と一緒で母さんもオレも気にしないっていう事なんだよ、なあ母さん?」

美樹は良く言ってくれたと感動した。大きく頷くと美那子は席を立って自分の部屋に行った。
兄が母親とセックスしなかったから許すという話ではなかった。美那子にとって母と兄が隠しているもっと大きなことが二人を親密にさせていると疑っているからだ。
それは絶対に自分に関することだと確信を抱いていた。

美那子はそんなことがあった日の夜、静子から思いがけない電話が来た。

「美那子、今電話いい?」

「うん、構わないよ。どうしたの?」

「優斗さんと付き合うことにしたの」

「良かったじゃない。そうなるとは思っていたけど、もしかして最後までしたの?」

「わかる?そうなの。優斗さん初めてだったの」

「へえ~意外ね。男の人って案外遅いのかも。兄もついこの前だったし」

「ええ?お兄さん誰と?」

「気になるの?静子は兄が好きだったものね。お母さんと三人で旅行に行った時に知り合った人なの。綺麗な人よ」

「美那子はそれでよかったの?」

「それでよかったってなに?」

「好きだったじゃない、お兄さんの事。あなたたちは出来ていると思っていた」

「まさか、兄妹よ。確かに好きだったけど、兄として頼りにしていたと言う感じかな」