スイカ
私は遼と二人でスイカを食べている
とう言うのも
私んちから普通よりも小さなスイカを黙って取ってきて
遼に「スイカ割りしよう」と告げた。
二人っきりでするスイカ割りもおつなもので、
あのワーワー言う騒ぎようはないがそれなりに楽しかった。
遼の「右、右、もうちょっと前」と教えてくれる声が
顔が見えない分妙に優しく聞こえて心が痛かった。
私が先にスイカに的中したのだが割れず。
次に遼が見事に真っ二つに割ってくれた。
用意周到な私は塩を持ってきていて、塩をかけて二人でお腹をこわすぐらい食べた。
私「このスイカ種いっぱいで食べにくい」
遼「でもおいしいよ」
私「そりゃそうよ、私んちのスイカだもん。ってこんなに甘いのは珍しいけどね」
とたわいもない会話。
実は今日遼に呼び出された理由は何気なくわかっていた
別れ話を持ち出されることを…
だからはしゃぎたくてスイカをもってきたのだ。
予想通り遼の口からその話はでた。
「ほかに好きな人ができたんだ。別れよう」と
私は涙はでなかったがスイカに塩をこれでもかというほどかけてかじりついた。
塩味でいっぱいになった口で
「そうだね。今は昔みたいに友達にはもどれないけど、いつか友達みたいに接することできるよね?」と私が言うと
「そうだね。」と遼が言い。
私は、「そうなるのが早かったらいいね」と言い
それから二人は黙々とスイカを食べた。
スイカを見ていると私はスイカの種になれなかったんだなぁと思った。
スイカにはなくてはならない存在のスイカ種に…
今でも思い出す塩辛いだけのスイカの味を…