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Aprikosen Hamlet ―武蔵野人狼事変―

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第1回「一年の復讐」


 思い返せば、それは甘く切ない夢物語。当時、この学校の一年生だった私は、幼馴染みの仁さん、そして不思議クール系な亜紀さんと同じクラスに在った。

ニミッツ級 航空母艦マーシャル(Nimitz career Marshall)
「じゃあ、今日のイングリッシュはここまで! またね☆」

 どう見ても空母なのに、何故か英語教諭をやっているマーシャル先生の授業が終わり、昼休み。私はいつも仁さんと一緒にご飯を食べるが、孤独を愛する亜紀さんは、どの班にも入らずに居た。そんな彼女に、仁さんが声を掛ける。

十三宮仁「あっちゃんはいっつも一人っきりだね?」

星河亜紀「貴女達も、いつも二人っきりね」

十三宮仁「でもね、あっちゃんは寂しくなんかないの! だってね、めぐちゃん達が一緒に居てあげるんだもん^^」

星河亜紀「どういう意味よ?」

十三宮仁「私達三人で、一緒にご飯食べようよ! あなたも、いいでしょ?」

「あ…亜紀さんと? まあ、仁さんがそう言うなら…」

星河亜紀「仕方ないわねぇ…好きにしなさい」

十三宮仁「あっちゃん、その宝石なあに? とっても綺麗だね^^」

星河亜紀「これはブラッドストーン、今月の誕生石よ。二酸化珪素の石英に酸化鉄の不純物が混入した碧玉で、インド産の物が有名よ。ローマ帝国では、天体観測鏡に使われたとか」

「相変わらず、亜紀さんはそういう話に詳しいなあ…名前の由来は?」

星河亜紀「この赤い斑点は、十字架に磔られた救世主の血とかいう伝承よ」

十三宮仁「そうなんだね! やっぱりあっちゃん、凄いね^^」

 そう言われて、亜紀さんは少しだけ微笑んだ。私達三人は、地元の小さな私塾にも通っていて、あの年の3月1日は確か、数学講師が別の奴に変わる時期だった。彼女達と、その未来を守り抜く…それが私と友との約束だと、胸に誓った。

星河亜紀「放課後から塾まで、少し時間があるわね。どこか寄ろうかしら?」