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お姉さんは好きですか

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「また…会っても良い?」
服を着ながら、その子は言った。
「私の羽振りが良かったから?」
私は、嫌味を言った。

こんな子が、お金の繋がりも無しに、私の元になど来たりはしない。

とても若い子だ。
歳を聞いたら罪悪感に苛まれる年齢かもしれない。
だから、聞かない。
間違っている事、罪な事。
それをこれ以上増やしたくない。

私の得られる愛は全て、金次第だ。

アナタの笑顔は歪んで見える。
欲しいんでしょう?
この紙っぺらが。

私を求めて…なんて思ったらやってられない。

この子達が欲しいのは…この紙きれ。
多ければ多いほど喜ばれるわ。
私の価値は紙以下。

そして、私の嫌味なんか、この子達には届かない。

「えへへ、ダメ?やっぱり、同じ子は嫌?どうせなら新しい子を見つけたい?」
「別に良いわ。次の約束…しても」
「やったぁ~!」
可愛い子。
きっと、この世界で生きていくのが上手なのね。

新しい稼ぎ口を探すより、同じ人間から奪い取る方が手っ取り早いよね。

「次は…いつにする?」
「いつでも良いよ?お姉さんの都合に合わせるから!」
甘えて見せるその姿…もう騙されてる。
どうせ私にとって、こんな紙っぺら、意味が無い。
なら、馬鹿みたいに使ってあげるわ…アナタに。
「なら…明日」
「明日?」
「ふふ…冗談よ。一週間後とかどうかしら?」
「明日でも良いけど?」
「さすがに、毎日逢ったら破産してしまうわ」
「ねえ…お姉さん」
上目遣いは、おねだりの印。
どんな我が儘を言うのかしら。

毎日逢って、破産して?

「お金…いらないよ?」
可愛い手が私の手を握った。
「明日なら…お金いらない。でも一週間後だったら今日と同じだけ頂戴って言う」
この子は…何を言ってるのかしら。

お金の為にしてるんでしょう?
なら…裏に何があるの?

私の顔を見て、急に笑った。
「へへへ、嘘!一週間後ね!一週間後に…同じ場所!」
そして、慌てて私の手を離した。

可笑しな子。

「じゃあ、一週間後に…また…」

私は信じない。
彼女達の無邪気な笑顔は、全て…この紙きれにのみ向けられているから。



END