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お姉さんは好きですか

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汗が気持ち悪い…。

アナタと二人。
私は一人。
どんなに頑張っても未来が無い…なんて誰が言ったんだろう。
どうして私たちには未来が無い…なんて言うんだろう。

血の道筋が出来るという事が何だというんだろう。
次へと繋げる事が何だというんだろう。

愛を天秤にかけて重たい方が勝つなら、子供の分だけ偉いというの?

二人とも、ただ子供を授かる体で生まれてきてしまった。
それだけなのに、そこに何かを宿せた方が勝ちなの?
いったい、それは誰が決めたルールなの?

アナタの匂いが纏わりつく。
街仲を歩いて、私は罪人何だろうか…。
私の横を通り過ぎる、私がアナタにあげられないもの。
小さな手が大きな手を引く。
頭に響く高い笑い声と苦笑い。

いつまで経っても、ここに何も宿せない事は罪なのか…。

愛なんて言う綺麗な言葉に包んで、私たちは生産機。
言葉が悪い?
なら、私を認めればいい。
私たちの愛こそ、まさしく何も無い上にある至高の愛ではないだろうか。
何の約束も無い、本当の愛だと思わない?

そんな風に、お互いを分かり合っていたと思っていたのに、私は一人。
アナタと二人。
負けたのは私。
勝ったのは宿せるか宿すかの差。
未来へと続くか続かないかの差。

膨れて行く腹を見せつけて、アナタはまた、私に愛を囁いた。
アナタだけなの…
本当はアナタだけなの…

裏切り者

それでも私の周りも騒がしくて、折れてしまう気持ち…分からないでもない。
私は意地を張った。
アナタはずるをした。
そのお腹の中には安くて重いものが宿っている。
私はそんなもの欲しくない。

いつか幸せそうに大きなお腹を撫でて、アナタは私とどうするの?

アナタの匂いが纏わりつく。
アナタと先に出会ったのは私なのに、愛し合ったのさえ先なのに…。
私の方は罪人なの?
私の方が悪い人なの?
へその緒で繋がれて、私には何も無い。

愛した証は、残らなければ無いと同じらしい。



END