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お姉さんは好きですか

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花を買った。
きっと、貴方に似合う花。

両手いっぱいに…。

不思議ね…少し違う人にも見える。
だけど、私の大切な人。
今の貴方も、とても綺麗よ?
とても綺麗…。

「いい加減……もう、いいんだよ?」
そんな言葉を掛けられる。
そうね…所詮、私と貴方は赤の他人だわ。
「どうして?」
「私…これから醜くなる一方だから」
「そんな事ないわ。ますます好き」
「どうせ不毛だと思ってたけど…より不毛だわ」
「そうかもしれないわね」
私は笑った。
白い部屋。白いシーツ。
「この部屋が真っ赤とかじゃなくて良かったわ。貴女には似合わないもの」
「似合っても嬉しくないけどね」
二人で笑った。
「外が…綺麗」
「そうね…綺麗ね」
「アナタには綺麗な世界が似合うと思う」
「そう?」
「逆じゃなくて良かった」
「…本音を言うと逆になりたいわ」
「アハハ、駄目だよ」
「どうして?」
「それこそ…似合わない」
私は彼女に顔を近づけた。
「キス…しても良い?」
「どうして聞くの?」
「痛く…ない?」
「キスぐらい我慢できるよ」
「我慢…か…」
「してくれないと、し……」
彼女が言葉を止めた。
苦笑いを浮かべて
「キスして?今…すごくしたい」
微笑んだ。
ぎこちなく無理をして、終わりのカウントダウン。
近づく最後は間近で、言葉を選ぶ作業に、ときどき疲れてしまう。
言えない言葉、シャレにならないから。
あんなにも簡単に言えていた言葉が、相手を酷く傷つける。
互いに…冗談が通じなくなっていく。
「外の匂いがする」
「外の匂い?」
「うん…好きな匂い」



END