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トロイメライ
トロイメライ
novelistID. 64068
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3ガールズインフィリピン

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Jは、スカイプで見ていたよりも、綺麗で、良い意味で女らしかった。黒のジーンズには、お尻にラッキーユーという文字が描かれてある。

どこに行こうかと歩き回った。彼女はどこに行きたい訳でもなさそうだった。

とある洋服屋に入った。彼女は、またうろうろと色々なシャツやら靴やらを見繕っては歩き回り、ぽつんと足を止めた。私の方に振り返り涙を流した。

理解できなかった。

Jが黒色のバックを手に取った。私のお母さんこれ貰ったら嬉しいと思うの、という。

値札を見ると4000ペソ、日本円で約8500円。私はすでにほとんど金を持っていなかったので、最終手段を使うと言ってクレジットカードで支払った。彼女は笑顔を見せてくれた。

なるほど、と思った。私はすでに彼女に15万円程の金額を日本から送金していた。スカイプでお喋りするためである。

そして彼女は今学生である。すなわち、私が彼女のお母さんにバッグを買ったということは、私は彼女のためではなく、結果的に彼女の母親のために送金していたということを意味していたのではなかろうか。

Jさん、ありがとう。

I

私はダバオの街をふらふらと彷徨っていた。ダバオはフィリピンで3番目の規模の街と言われているが、スラム街に近い。自動車はほとんどがいつ壊れてもおかしくなさそうな代物で、クラクションがひっきりなしになっている。

道端にはマンゴーか何かの果物を売る屋台が立っており、客はいない。

私はホテルのレストランでチキンアドを食べながら、窓越しに外の景色を見ていた。

そうだ、一番会いたかったIに連絡をとろう。メールでホテルに誘うと、しばらくして承諾を得ることができた。

彼女はホテルを予約して、とメールを寄越した。クラウンホテル。

私は早速タクシーで向かった。途中でセブンイレブンに寄ってもらい、私はコンドームを買った。店員が笑っている。

私は305号室の鍵を渡された。ホテルは迷路のような作りになっており、一体部屋がどこにあるのか分からず、歩き回った。

ホテル中央には、プールがあるがとても入る気にはなれないものであった。

ようやくのこと部屋に辿り着いた。壊れた空調とベッド。それ以外のものは何もない。

私は緊張を和らげるためにルームサービスでレッドホースビールを2本頼んだ。訳のわからないスープも一緒に頼んだ。

スープは、日本でいう台所で使うはずのボウルに入っている。味もまずかった。

私はそわそわしながら彼女の到着を待った。シャワーも浴びたことだし。そうだ、トイレの水はなぜか何度流しても茶色で気味が悪かった。

こんこん、とドアを叩く音が聞こえた。Iだ。私は盛大にドアを開けた。

思っていたよりは背がいくらか小さいが、笑顔の美人が立っていた。黒色のキティーちゃんのキャップをかぶりリュックを背負っている。

私が部屋に招き入れると、彼女はベッドの上に座った。私の顔を眺めて残念そうに額を下げた。

私はなぜかよく分からなかった。あまり喜んではいないみたいだ、と私は思った。用意していた3綴りのコンドームをぺらっと警察手帳に見立てて、警察だ、と英語で冗談を言った。

彼女は笑ってくれた。

ルームサービスでシシとフルーツサラダを頼んでというので、追加で電話をかけた。シシは鉄板ひき肉料理でとても美味しかった。彼女がぺろっと舌なめずりしている。


シャワーを浴びよう、私は言った。