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おはよぉ…

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「ちょ…ちょっとまって!」

 焦りだす綾ちゃん。

「わ、私達…同じ中学 だったよね!?」

 沈黙する2人に、畳み掛けます。

「体育祭も…文化祭も……しゅ、修学旅行も………3人一緒だったじゃない!!」

 一子ちゃんと私は、顔を見合わせました。

「おい…大丈夫か!?」

「綾ちゃんと私達が知り合ったのは、この高校に入学してからよ?」

「あー!?」

 突然奇声を上げて、綾ちゃんが後ずさりします。

「ご、ごめん…」

 音がする勢いで、両手を自分の顔の前で両手を合わせました。

「さっきのは…理想の思い出でした。」

 虚を衝かれた表情で、一子ちゃんが口を開きます。

「り、理想の思い出って…何?」

「自分だけ2人と違う中学なのが悔しくて…どうせならって、3人は中学から一緒にいたって言う設定の思い出♡」

 脱力した私は、その場に崩れ落ちました。

「あ、綾ちゃん…」

 上目遣いで様子を伺う綾ちゃんの頬を、一子ちゃんが両手で挟みます。

「記憶を捏造するは あんたの自由だけど…人に迷惑を掛けない様にしてくれるかな?」

「やぁーめぇーーてぇーーー いぃーたぁーーいぃーーー」
作品名:おはよぉ… 作家名:紀之介