12話 あとは野となれ山となれ -晴耕雨読ー
最近、午前三時ぐらいで目が覚める。
だいぶ時間を過ごしてからカーテン越しに朝の光が差しはじめる。
今日も眠りが浅くなった意識の中で時計の鳴る音を聞いていた…。
一…二…三(やっぱり三時だ…)…四(結構寝たな…)五…(そんな?)六…そして…九、十…時計は十二まで鳴りつづけた…。
どおいう事?…意味わかんない。
暗闇の中で愕然…て事は…まだ今日なんだ…寝たのは確か…ニュースが始まる前だった。
えっ!…二時間しか寝てない…。
海辺の町に移り住んでから 晴耕雨読にいそしんでいる。
日が昇ってきたら起き、日が沈んだら寝る。
東京のど真ん中で生まれ育った私は、今考えると生活時間がかなり変則的だった。
あの頃は健康意識なんて皆無で 飲んで遊んでた普通の事だった…。
でも今は健康も自己責任なんて時代だもんね。
その頃はメタボなんて言葉もなかった。
病気になると同情されたけど、今は自己管理が悪いって、病院に掛かると税金の無駄使いみたいに言われちゃう。
海辺の町に移り住んで…健康に暮らしてるつもりでいたけれど…。
たいした運動もしてないんだもの2時間で目が覚めるのも当たり前…。
そお言えば…晴耕雨読の“耕”が無いな…。
作品名:12話 あとは野となれ山となれ -晴耕雨読ー 作家名:のしろ雅子